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余談のある、ほっとする新聞がいい 萩本欽一さん(2017年8月5日)

新聞に関する自身の思い出などを語る萩本欽一さん=東京都世田谷区で

 「欽ちゃん」の愛称で活躍するコメディアン萩本欽一さん(76)は新聞から刺激を受け、今は大学生活を送る。NIE名古屋大会に合わせ、萩本さんに新聞への思いを聞いた。 (世古紘子)

 高校生の時、弁当箱を包んでいたのが新聞。「食べるついでにスポーツ記事を読んだし、漫画が載っていると、もうかった気がした」。お気に入りは、家族に薦められた東京新聞(中日新聞東京本社発行)のコラム。「事件を全く違う方向から見ていて、暖かい風が吹いているようだった。1カ所、好きな所があるだけで、新聞を読むようになるんです」

 故坂上二郎さんと組み、一世を風靡(ふうび)した「コント55号」のネタは、新聞がヒントになった。「朝、大きな見出しだけを拾って『きょうはこれをやろうか』と考えた」。例えば、父親が子どもをわざと車にぶつからせる当たり屋の記事。「もし、逆におやじがぶつかったら? 子どもが言い掛かりをつけた方が、スムーズにカネを取れるんじゃないか」。あべこべな内容で笑いを誘った。

 2015年から駒沢大に通う。机を並べる若者が新聞を読まないのは「分かる気もする」という。「テレビと同じ伝え方だから。活字を読むより映像の方が早い」。毎朝、開く新聞の「暗さ」も気になる。「悪いことが起きると、そればかり。事件の中にも救われる一言があると、すてき。余談のある、ほっとする新聞がいい」

 自身が新聞を読む時に「面白い」と注目してきたのが、記事の「締め」の言葉だ。「・・・のもよう」「・・・という声がある」「・・・の狙いがある」など。「記者が本当に伝えたいことは何か。それを考えると、人を読む勉強になる」。若者がインターネットやメールで使う言葉は、どこか直接的。「だからすぐ衝突する。新聞を読めば、言葉の真意を読み取ったり、伝える言葉をうまく選べたりする」

 新聞には政治、経済、事件事故など、世の中の全てが詰まっている。だからこそ手に取ってほしい。「新聞は、大人への教科書。世の中のことも、人についても学べる。自分が好きでない分野も読めるようになると、きっと人が変わったような気がしますよ」

 はぎもと・きんいち 1966年に故坂上二郎さんと「コント55号」を結成。70年代後半〜80年代に「欽ちゃんのどこまでやるの!」などのテレビ番組で人気を集め「視聴率百パーセント男」と呼ばれた。高校時代に新聞配達も経験。73歳で駒沢大仏教学部に入学。近著に『ダメなときほど「言葉」を磨こう』(集英社)。

(8月5日付 中日新聞朝刊37面より)

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