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話題を追って

田原町駅周辺「副拠点」に 福井市が「都市機能誘導区域」へ 

商業施設流出、空き家対策課題も

整備が進められている田原町駅周辺=福井市田原1丁目で

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 福井市はコンパクトシティ化を進めるため、えちぜん鉄道と福井鉄道が結節する田原町駅周辺を「都市機能誘導区域」に指定する。交通の便が良いだけでなく、福井大や藤島高校、県立美術館、市体育館などが集積するこの地域を、市内外から人が訪れる「副拠点」にするためだ。街を歩き、現状と課題を探った。 (梶山佑)

■魅 力

 「福井駅はもちろん、海や山へのアクセスもすごく便利」。田原町商店街振興組合の野尻章博理事長(65)は地区の強みをこう語る。パン店や総菜店など「市外からの客が押し寄せる魅力的な商店も多い」と胸を張る。

 この地域は戦後、福井食品卸売市場(一九七四年に大和田一丁目に移転)などを中心に発展した。駅舎周囲では現在、コンサートや市民イベントができる多目的待合室と広場の整備が来年春の利用開始に向けて進んでいる。駅から北に三百メートルの市立図書館を大規模改修する計画もあり、早ければ二二年度中に改装オープンする。

■抑 制

 市が今月中に策定する立地適正化計画では、市内に人口密度を維持する「居住誘導区域」を設定し、その中に都市機能誘導区域を定める。計画案では福井駅周辺に加え、田原町駅から半径五百メートルも都市機能誘導区域に指定。他の市街地や集落は選ばれなかった。

 市がこれらの地区を「特別扱い」するのは、少子高齢化を見据えて集約型都市構造に転換するためだ。区域外に新たに立地する場合に市への届け出を義務付けることで、商業施設や教育文化施設が郊外に移転するのを抑制。交通の要所である福井駅周辺と田原町駅周辺に集中させて郊外と中心街の共倒れを防ぐ。

 同市都市戦略部の堀内正人部長は田原町駅周辺を「嶺北一円の住人に来てもらえる場所にしていきたい」と説明。鉄道沿線の自治体との連携も進めて「高齢者らも歩いて暮らせるまちづくり」を目指すという。

■効果は

 だが、課題もある。公共施設の維持は行政主導で進められるが、商業施設の流出は深刻だ。野尻理事長は「最盛期に六十軒あった飲食店や小売店は、今は半分ほど。商店主の高齢化が進んでいる」と嘆く。

 空き店舗だけでなく、空き家や老朽化した集合住宅も目立つ。自治会連合協議会の荒川義昭会長(69)は「新築の家は、すぐに入居者が決まるが、空き家対策は進んでいない」と打ち明ける。

 地区を歩くと、歩道と車道の境が曖昧で歩行者には不親切な道路も残る。荒川さんは「町内会活動を盛んにして安心安全なまちをつくり、福井第二の地点にしたい」と話す。

 

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