トップ > 日刊県民福井から > 話題を追って > 記事一覧 > 12月の記事一覧 > 記事

ここから本文

話題を追って

宇宙産業創出へ前進 県内ものづくり技術生かす

実習衛星モデルの対象範囲と構成部材の確認をするワーキンググループ=福井市の県工業技術センターで

写真

 繊維、眼鏡の次は宇宙だ−。産学官と金融機関による「ふくいオープンイノベーション推進機構(FOIP)」が立ち上げた「ふくい宇宙産業創出研究会」が、人工衛星開発時の過程で必要な機能検証用の実習衛星モデルを本年度中にも開発し、試験運用する意向。県内のものづくり技術を生かした宇宙産業の創出に向けた取り組みが、具体的に進んでいるようだ。 (中場賢一)

■東大

 研究会は二〇一五年九月に発足。今では県内外の企業四十社余りが参加している。本年度は、より専門性を高めるため参加企業を▽構造(筐体(きょうたい))系▽電気・通信系▽要素技術研究▽先端宇宙技術研究−の四つのワーキンググループに分け、東京大学で研修を行うなど研究を進めてきた。

 オープンイノベーション推進機構の強力真一ディレクター(県工業技術センター所長)は、実習モデルの試作を「東大で研修を受けた企業が、宇宙環境内で作動するための電気回路の試作に臨んだり、通信手段の検討に着手するなど動きがある」と現状を説明。「実際に構造設計と試作品の振動試験を計画する企業があり、県工業技術センターを活用して振動解析や熱解析に着手している」と話し、開発に向けた取り組みが進んでいることが分かる。

 人工衛星を打ち上げるロケット内の環境を想定し、衛星部材の振動試験をすることができる最新機械を県工業技術センター(福井市川合鷲塚町)に本年度中にも導入する予定で、試験環境も整いつつある。同機構は試験も本格化させたい意向だ。

■母体

 県内の宇宙産業は一部企業で、宇宙船内服やブランケットなどを開発しているが、産業化を目指すには、より多くの企業が参入することが必要となる。研究会は大学教授ら宇宙分野の専門家の支援も取り付け、徐々に体制も整ってきた。宇宙産業創出研究会の会員企業のうち、意欲のある企業が今年八月に「県民衛星技術研究組合」を設立し、二〇一九年度の衛星打ち上げの母体となる体制も整えられている。

 機構の担当者は「今の段階で企業のためにやれることは全部やっておいて、宇宙産業の先進県を目指したい」と意欲的だ。二十七日は同センターで第二回研究会を開催予定で、これまでの取り組みを振り返るほか、来年度の計画も検討する予定。

■波及

 宇宙産業は人工衛星やロケット製造などの機器産業に関連する衛星通信・放送などのサービス産業や「測量、衛星データ加工・販売、アプリ」などのユーザー産業に波及する。機構では波及部分を重視し、可能性を見いだそうとしている。

 収益性やコスト面などの課題もある中、機構は福井型宇宙産業の確立を目指し、県内企業をけん引。実用化に向けた支援や研究を進める。

 

この記事を印刷する

PR情報

地域のニュース
愛知
岐阜
三重
静岡
長野
福井
滋賀
石川
富山

Search | 検索