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話題を追って

移転か残るか先決を 福井市文化会館の整備検討 

理念を優先 市方針に疑問の声

完成から50年近くが経ち、再整備に向けた検討が進む文化会館=福井市春山2丁目で

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 老朽化した福井市文化会館(春山二丁目)をどう整備し直すか。市が有識者らを交えた委員会で検討している。交通の便の悪さも課題となっていることから、移転が必要かどうかが焦点になる。ただ、市は新たな会館の理念や方針など在り方の議論を優先し、移転の是非の判断は、来年度に持ち越したい考え。交通面の課題をどう解消するのかが見えないまま、基本構想づくりが進む。 (平野誠也)

■低い満足度

 文化会館は一九六八(昭和四十三)年に完成。地上四階、地下一階で、約千百六十席のホールや楽屋、会議室などを備える。ホールを利用するのは学校やNPO法人、文化団体などが中心。クラシック音楽の演奏会や舞踏、バレエのほか、近年は演劇での利用が多いという。

 ただ、ホールの稼働率は一〇年度以降、50%を下回り続け、一五年度は44・1%にとどまった。背景には利用者の満足度の低さがある。市が十一月末までの一カ月余り、インターネットで市内外の人に尋ねたアンケートの中間結果(百二人が回答)では、会館を訪れたことのある人のうち、75・5%が「満足していない」と答えた。

■駐車場不足

 利用者の不満につながっている大きな理由の一つが交通アクセスの悪さだ。会館の駐車場は敷地になく、近くの市駐車場(七十台分)を加味しても足りないのが現状。アンケートでも、不満の理由として「駐車場、駐輪場が不足している」が「見たい演目や参加したい事業がない」と並んで突出した。

 公共交通の不便さも指摘されている。会館はJR福井駅からは徒歩二十分ほど離れており、最寄りの公共交通はバスだが、別のアンケートでは「最終便が早くて不便」との声も上がっている。

■現状把握

 市は十月、大学教授や文化団体代表ら十一人による委員会で新会館の検討に入った。まずは目指す方向性や理念、機能など在り方を詰め、来年三月をめどに基本構想を策定。その後に▽耐震補強を含む改修▽現在地での建て替え▽移転−のいずれかを決め、一八年三月に基本計画にまとめる方針だ。

 市文化振興課の桑原浩明課長は「一から協議を積み重ねた結果、(場所を)どうするかを決める方が市民の理解を得られる」と説明する。

 しかし、委員からは移転するかどうかを決めることが先決だとする意見が相次ぐ。過去二回の会合では「設置する場所によって機能も変わる」「福井の文化をどうするかという戦略は、(場所を)街中にするか郊外にするかで全然違う」といった声が上がった。

 来館しやすいかどうかは市民の満足度にも関わる。文化政策が専門で委員長の県立大の山崎茂雄教授は「市民や芸術に関わる人などの意見を十分に聞き、現状を客観的に把握することが大事」と実態に即した検討の必要性を強調する。

 

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