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ふくい経済 シゴト咲く

満足のいく住宅に 福登建設

 清水 榮一(しみず・えいいち)常務 49歳

住宅内覧がバーチャルリアリティーの装置で体験できるスペースについて話す清水榮一常務(右)=福井市の福登建設で

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内覧の仮想体験可能

 住宅の間取りや壁紙、キッチンの配置などを決める打ち合わせには、平面図ではなく、三次元建築専用のコンピューター利用設計システム(CAD)を使い、立体的にシミュレーションする。顧客が思い描く住宅を、完成した姿で見せるためだ。

 大学卒業後、一度、別の企業に就職し、二十八歳で福登建設に入った。現場で接して聞く客の声が、顧客満足度を高める独自の「ドリームプロジェクト」を始めるきっかけになった。創業者から続く昔ながらの工務店経営でも「お客さんは意外と満足してくれる」。しかし、その評価は「星五つはくれない。三つか四つくらい」。足りない星の理由は、聞けば、希望する間取りなどが「できなかったことに対する不満ではなく、できないことに対する説明不足」だった。

 こうした経験を生かし、住宅設計や施工を請け負う際、ヒアリングは欠かさない。まずは、顧客の生きざまをひもとくところから始める。その内容は、相続やきょうだい、カードローンの有無など「建築屋の会話ではない」と言う。家を建てる人たちの人生を左右するほど大きな買い物となるだけに「お客さんの生きざまを背負わないと、ちゃんとした間取りはできない」。

 ドリームプロジェクトは、三次元建築専用CADを使った住宅の立体的なシミュレーションにとどまらない。従来の断熱に遮熱性能も加えた新しいシート材「SDN−SHEET」の開発や、建物に使う柱の一本一本まで耐震性能を計算した構造計算書も必ず付ける。部材一つ一つの価格も明確に示し、顧客の不安材料をクリアにしていく。このため、一年間に受注できる新築・増改築は、二、三件が限界という。

 住宅内覧をバーチャルリアリティー(仮想現実)で体験できる装置も導入した。本社内に体験スペースを設け、今月から本格的に始動している。専用の装置を身に着けると、顧客が希望する間取りの住宅が目の前に広がり、スペース内を自由に歩き回りながら体験できる。「脳に直接プレゼンする」というこの装置は、階段の斜度や家具の高さ、段差なども詳細に体感できるのが売りだ。

 導入した装置を着けて歩ける範囲は、現状では対角で五メートル。その可動域がさらに広がることで「建築現場に持って行き、採光や音、隣接する住宅の高さなど、周辺の環境も含めリアルに体感できる」。この装置が、建築現場での動線確認などにも生かせると、意欲は尽きない。 (清兼千鶴)

 清水 榮一常務

 福井市出身。福井大工学部建設工学科卒。清水義久社長の右腕として顧客満足度を高める同社独自の「ドリームプロジェクト」を展開している。1967(昭和42)年9月18日生まれ。

 住宅の新・増改築、店舗設計施工など 福登建設(福井市) 

 1931(昭和6)年創業。63(同38)年に株式会社「福伊組」を設立。85年に現在の福登建設に社名を変更した。2007年、新社屋の完成に伴い福井市花堂北2丁目の現在地に移転し営業を始めた。社長も含め従業員は5人。資本金3600万円。

 

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