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ふくい経済 シゴト咲く

オンリーワン自信 シーロード 

 海道 直人(かいどう・なおと)社長 54歳

自社製品を前に「他がやっていないものを作っている」と語る海道直人社長=福井市小幡町で

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 足で「ナツメ」広める

 シャリッとした食感、癖になりそうな甘酸っぱさの果物「ナツメ」。福井市棗(なつめ)地区で収穫された果実を加工、販売している。鉄分や葉酸などの栄養価が高く、漢方薬にも用いられるナツメは中国や韓国産がほとんどで、国内では唯一、大規模な生産体制を整えている。ライバル企業の少ない商品に特化する「オンリーワン精神」で事業拡大を目指す。

 かつて一般家庭の庭にもあったが、値段の安い他の果物に押されて数を減らしたナツメ。棗という地名にちなんだ町おこしにつなげようと、義父の海道長(はじめ)初代社長(86)が一九九八年に栽培を始めた。現在は八ヘクタールで五千本を育て、年間十トンほどを生産。乾燥ナツメのほか、健康食品としての「エキス」や「なつめ茶」、のどあめなどに加工し、ネットや同市のハピリンで販売している。

 「シーロード」は全五社からなる「NACs創進グループ」傘下にあり、グループ企業の「棗の里農産」(農園管理会社)と連携してナツメ事業の推進に取り組む。核企業に位置付けられている「日本真空化学」(プラスチック製造加工会社)は、カーブミラーの鏡面部品の製造分野で全国トップシェアを誇る。海道長氏がグループ各社の会長を、直人氏が社長をそれぞれ務めている。

 ナツメ事業は国内に競合他社がいないことが強みだが、逆に言えば「手本にできるビジネスモデルがない」ため、生産や加工の方法は独自に研究してきた。実の乾燥にはシイタケ用の乾燥機を使い、エキスの濃縮のために圧力容器を独自に開発。木から実を振り落とす作業を効率化するため、オリーブ用の震動機を導入している。

 さらに「一本当たりの収穫量を十倍にしたい」と栽培技術の確立に意気込む。「栄養価の高いナツメはプルーンにも引けを取らない可能性がある。知名度を上げ、大手食品会社や化粧品会社とタイアップしたい」と計画を語る。

 積極的な販売精神は、三十歳で同グループに入る前の化粧品会社での営業職時代に培った。「今と違ってネットがなく、事前に会社を調べずに飛び込み営業をするしかなかった」と振り返る。現在も月の三分の一ほどは県外に営業にでかけ、グループの商品を売り込んでいる。

 「競合のない分野なら、最新設備がなくても福井で十分にやっていける。これからも足で稼ぎ、体にいい『棗のナツメ』を広めていきたい」と事業の推進と拡大に自信を見せる。 (梶山佑)

 海道 直人社長

 福井市出身、東京都内の大学で経済学を専攻。都内の化粧品会社に勤務後、グループに入社。機械用プラスチック素材の販売などを経て2015年から現職に。1962年11月30日生まれ。

 ナツメ加工販売 シーロード(福井市)

 NACs創進グループ傘下にあり、グループ企業の「棗の里農産」は1998年にナツメの試験栽培をスタートさせて事業化。自社栽培園で収穫したナツメを商品化し、ネット通販などで売り上げを伸ばす。資本金3000万円。

 

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