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ふくい経済 シゴト咲く

「ロボ教材」楽しく アフレル

 小林 靖英(こばやし・やすひで)社長 54歳

組み立て式ロボットの「マインドストーム」を手に、教育機材としての優秀さをアピールする小林靖英社長=福井市のアフレルで

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プログラミング学ぶ レゴ社の玩具に入力

 「コンピューター機器のプログラミングをもっと気軽に、楽しく学べる機会を提供したい」。そんな思いから、世界的に有名なブロック玩具のレゴ社(デンマーク)の組み立て式ロボット(機器)にプログラムを入力して動かす教材「マインドストーム」の仕入れ、販売事業を幅広く展開。「郷土福井の活性化に貢献できれば」と力を込める。

 もともとソフトウエア開発会社「永和システムマネジメント」(福井市)のエンジニアだった。同社が二〇〇〇年に開いた親子向けプログラミング体験会に参画したのが起業へのきっかけとなった。

 レゴ社のマインドストームを使った同体験会で、会場の親子らは「自分で組み立てたロボットを、自分でプログラミングして動かせるなんて」と大興奮。その様子に「コンピューター・プログラミングの教育の現場にも生かせる」と着目。会社の了承を得て、社内に企業向けの研修を請け負う事業部を立ち上げた。

 起業への原動力は、音楽に没頭する「エレキ小僧」だった子ども時代にさかのぼるという。スピーカーなどの機器は高価なため、粗大ごみの中から部品を探し出しては自力で組み立てた時期を振り返る。「試行錯誤して作ったスピーカーが動いた時はとても感動した」と。

 従来のプログラミング教育は、教科書を脇に置きながら、目の前のパソコン画面とにらめっこするばかり。プログラミングのコードを書くのも動作を確認するのも、画面の中だけで完結し「かねがね楽しいはずがない、と思っていた」。そんな疑問を抱える中で、マインドストームという画期的な教材に出合い「大人も子どもも好奇心を刺激して楽しく学べると確信した」。

 それでも当初は、各企業から「おもちゃなんかで何が学べるんだ」などといった否定的な意見が寄せられ、なかなか受け入れられなかったという。しかし、電子機器製造大手の富士通が〇四年、新入社員の教育研修にマインドストームの採用を決めてからは風向きが変わった。「IT業界もコンピューター画面とにらめっこするだけで事をなしてしまう『座学』という手法に限界を感じていた時期だったのかもしれない」と推し量る。

 芝浦工大や立命館大などの高等教育機関からも教材として使いたいと声がかかるようになり、企業向けの研修請負事業はようやく軌道に。〇六年、親会社の永和システムマネジメントから分社化し、念願の独立事業体(アフレル)を設立した。

 目標とする会社像は、あくまでもレゴ社。北欧の地方都市にある企業なのに世界中から人材が集まり、地域や国を活性化させているという事実に、驚きやあこがれを隠せない。

 福井のUターン就職率が低いことにも言及し「若者が働きたいと思う魅力ある企業が少ないからでしょう。企業の側にも大きな責任がある」と分析。「若い人がこぞって入りたい、働きたいと思える企業に成長させていかなければ」と意欲を燃やす。 (小川祥)

 小林 靖英社長 

 福井市生まれ。県内の高校を卒業後、歌手を目指しながら県内車の修理工場に勤務。1986年に永和システムマネジメントに入社。2006年にアフレル設立。1962年10月13日生まれ。

 教育支援サービス業 アフレル(福井市) 

 プログラミングを学べるレゴ社の組み立て式ロボット教材の仕入れ、販売のほか、ロボットコンテストの世界大会などの運営にも携わる。全国の小学生から大人まで、プログラミングに触れる機会を提供する。福井市問屋町の本社のほか、東京に支社を置く。売り上げ5億円。従業員27人。

 

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