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ふくい経済 シゴト咲く

安全な食で健康に マイセン

 牧野 仙以知(まきの・せんいち)社長 59歳

玄米の魅力について語る牧野仙以知社長=鯖江市上野田町のマイセンファインフードで

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玄米を使い商品開発

 商社マンから三十四歳で脱サラし、農業の世界に飛び込んだ。「もともと、環境ビジネスに興味があった。農業で環境に貢献したかった」。一九九二年、県内初の農業生産法人として株式会社「マイセン」を立ち上げた。

 米の生産と通信販売に取り組んだが、設立から二年ほどは、ほとんど客がつかなかった。しかし、悲観はしなかった。「目の前のことを一つ一つするだけだ」。ただ、米を作り続けた。

 転機は、三十六歳の時。闘病中の知人に玄米がほしいと頼まれた。「今でこそ玄米は女性らに人気だが、当時、玄米を食べる人は多くなかった」

 食べ続けると、当時八六キロあった体重が落ちた。食生活を見直した。体の調子が良い。玄米を勧めた友人たちが次々と健康になっていた。「玄米には力がある」と確信した。

 二〇一二年には、玄米と大豆を使い、食感を肉に似せた加工食品を開発。保存料や着色料、うま味調味料は使っていない。同社の主力製品で、フィレタイプとミンチタイプがある。健康志向の女性らに人気があるという。

 その後も、玄米パンや玄米クッキーなど、ベジタリアンや小麦アレルギーの人でも食べられる商品を手掛けてきた。「売れると思ったから作った訳ではない。自分が食べたいから作った。結果的に、消費者に受け入れられた」

 一四年には、農林水産業協同組合ファンドとの共同出資で「マイセンファインフード」を設立。製造を外部委託していた主力食品を、自社工場で作れるようになった。

 今年から、米国やアジア圏への本格的な輸出に乗り出す。巨大マーケットのイスラム圏での販路開拓を狙い、イスラム教の戒律に従って製造していることを示すハラール認証を取得した。

 「食は人を良くする。自分たち社員の使命は、安全で安心できる本物の農産物を通じて、多くの人々に健康になっていただくこと」。これからもこの使命を胸に、商品を作り続ける。 (山口育江)

 牧野 仙以知社長 

 県内の高校を卒業後、公認会計士の事務所や商社などに勤務。34歳で脱サラし、農業の道に進んだ。1992年に農業生産法人「マイセン」を設立。大豆や玄米を使い、食感を肉に似せた加工食品の量産体制を狙い、2014年に「マイセンファインフード」を立ち上げた。1957(昭和32)年8月4日生まれ。

 農業生産法人 マイセン(鯖江市)

 環境保全型の農業を目指し1992年に設立。人にも環境にも安心・安全をテーマに米の生産のほか、玄米を使った加工食品を開発してきた。ベジタリアン(菜食主義者)や高齢者などの健康志向の消費者ニーズに対応した商品が人気を集めている。資本金300万円。

 

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