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ふくい経済 シゴト咲く

国際交流 事業化へ アチーヴ  

 山下 善久(やました・よしひさ)社長 45歳

国際交流のビジネス化を目指し教育事業を展開する山下善久さん=福井市幾久町のアチーヴで

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英語教室 足掛かりに

 「補助金に頼らない、ビジネスとしての国際交流事業を立ち上げたい」。足掛かりにしようと、英語教室などを運営する会社を立ち上げて十年。米国留学を機に心に描いた“夢の実現”に向け一路まい進する。その一方で、福井ケーブルテレビの番組「てくてく歩こさ」のリポーターとしても、ひょうひょうとした人柄でお茶の間の人気を集める。

 米国留学した二十代、友人もつくらずに勉強に励んでいたとき、英語学校で一緒だった日系ブラジル人の留学生が「いつも難しい顔をして一人でいるね」と心配してくれた。その温かい言葉が心に響き、国籍を超えて共に生きる大切さ、つまり国際交流事業の魅力に巡り合ったという。

 帰国後「国際交流を仕事に」と考えたが、当時は留学あっせんなどしか仕事がなかった。それでも福井を訪れた外国人に良い思い出をつくってもらいたいと、中学時代の同級生らと五人で国際交流団体「インターナショナルクラブ」を立ち上げ、県内の外国人と日本人の交流イベントなどを企画してきた。

 活動も軌道に乗ってきた〇六年、クラブに参加していたアメリカ人の女性から「外国語指導助手(ALT)の契約が切れても日本で英語を教えたい」との相談を受け、将来の国際交流事業化を目指して法人としての英語教室を立ち上げた。以後、クラブに参加していたアメリカ人ら二〜三人が教壇に立ち、本場の英会話、英会話テクニックを提供してきた。

 現在、生徒数は四十人ほど。生徒の目的に合わせてカナダ国籍の女性が中心となって、留学や試験準備などの手ほどきをしている。この女性は県内の男性と結婚し、福井に根を下ろして英会話の普及に力を入れる構え。山下さんは「会社という形があると、ビザ取得のサポートもできる。給料を出すことで外国人が福井に生活基盤を築く一助にもなる」と手応えを感じている。

 初志貫徹。今後は目標に掲げた国際交流の事業化を目指す。ひそかに温めているのが、福井駅周辺での英語カフェ。一階は従業員が全て英語で対応し、県内の外国人や英語の学習者が気軽に立ち寄れるスポットにする考え。一階のカフェでは観光情報も得られるようにし、二〜三階部分は、県内を訪れた外国人が宿泊できるゲストハウスにする。「今は物件を当たっている段階だが、そこでそば打ち体験ができるようにしてもよい」と夢の実現の第一歩にしようと意欲を燃やす。

 「収益を上げ、生活をしていかなければならない…」。現実と理想のはざまで頭を悩ませる局面もあるが「それでも国際交流の現場は本当に楽しい」ときっぱり。「ビジネスとしての国際交流事業」という目標は遠く、道のりも険しい。しかし、前に踏み出した歩みを止めるつもりはない。 (片岡典子)

 山下 善久社長

 東京都出身。幼少のころに福井市に引っ越す。音楽教師だった両親の影響で、名古屋芸術大音楽学部卒業後、仁愛女子高校(同市)のマーチングバンド講師として同校に2年間勤務。バブル崩壊を見て、スキルアップの必要性を感じ、米国に語学留学した。「アチーヴ」の代表取締役(社長)の傍ら、イベントの司会者やテレビリポーターとしても活動。1971年8月16日生まれ。

 国際交流の事業化を目指す英語・音楽教室 アチーヴ(福井市)

 2006年10月に福井市で設立。英語教室と音楽教室を展開する。07年に、インターナショナルクラブと事務所を共にして連携を強化。16年には県公安委員会から道具商の許可も受け、カンボジアでの中古楽器販売にも着手した。

 

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