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ふくい経済 シゴト咲く

国産材普及に意欲 マーベルコーポレーション

 小澤 聖輔(おざわ・せいすけ)社長 54歳

県産材や国産材の利用拡大を目指し、林業の活性化を願う小澤聖輔社長=福井市原目町のマーベルコーポレーションで

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薬剤を注入し耐久性

 公園の遊具、案内板、ベンチなどへの国産材の利用を推進する。企業理念に掲げた「マーベル(驚嘆)な技術と情熱で、世の中に貢献します」。耐久性を持たせるため木材に注入する薬剤の開発も手掛ける。事業を通し「現在、元気がない林業の活性化につなげたい」と県産材、国産材の普及に意欲を燃やす。

 現在は美山町森林組合(福井市)の協力も得ている。同組合内に工場があり、木材へ薬剤を注入している。薬剤の開発は試行錯誤を繰り返し、現在は四代目となる「マーベルウッドAZ」を使用。新薬剤の開発により、木材の耐久性が向上した。

 日本の森林資源の蓄積量が五十億立方メートルに達している現状を危惧。外国産木材の代わりに「国産材をもっと使わなければならない」と強調する。

 木材保存剤は市場では主に、重金属を含んでいる薬剤が使われているのに対し、自社では重金属を含まない薬剤を使っている。そのため木材に色が付かず、木材本来の色を生かした自然な仕上がりになるという。

 始まりは、勤務していた三谷商事の社内ベンチャー事業がきっかけだった。会社を立ち上げた当初は「信用を得ていくまでに苦労した」と振り返る。徐々に木材の導入先を拡大していくことで信頼も得ていった。これまでに県内ではJR福井駅前のイスやベンチ、刈込池のテーブルやベンチなどに導入されている。

 「木は体になじんで温かみがあり、安らぎを得られる」と、金属やプラスチック擬木との違いを強調する。地方創生にも「林業が目玉になる」と分析し、経済活性化策にも有効と説く。東京五輪、福井国体などが控える中、商機を見いだそうと動き、合成木材ではなく「本当の木材で技術力を高めていく」と意志は強い。

 自身は結婚を機に故郷にUターンした。若者の県外流出が問題となっていることには「今は情報網が発達しているし、福井にいても全国的なことができる」と指摘。「今は福井が大好き。家庭を持つなら福井」と県内で働くことの魅力をアピールする。

 若者には「もっとチャレンジ精神を持ってほしい」と願う。会社設立から五年がたち、今後の事業展開を「売り上げを伸ばし、全国、海外展開を目指したい」と見据える。「まだまだ木は使える」。挑戦は終わらない。 (中場賢一)

 小澤 聖輔社長

 福井市出身。専修大商学部卒業後、東京のアパレル商社に勤務。1990年に福井県にUターンし、三谷商事(福井市)に勤務。同社の社内ベンチャー事業として「マーベルウッド木材改良事業」に携わる。49歳の時に会社を立ち上げる。1962(昭和37)年2月9日生まれ。

 環境配慮型 保存処理木製品の技術開発、製造販売

 マーベルコーポレーション(福井市) 

 2011年に三谷商事の社内ベンチャー事業から独立し会社を設立。木材保存剤となる薬剤を大阪市の製薬会社「片山化学工業研究所」と共同開発し、耐久性を高めた木材を販売している。福井市原目町に本社、東京都府中市に事務所を置く。資本金900万円。

 

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