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ふくい経済 シゴト咲く

福祉用具に力注ぐ ケア・システム

 山場 浩(やまば・ひろし)社長 54歳

他社の優れた介護用具に、介護現場での経験やアイデアを加えた商品開発もする山場浩社長=坂井市坂井町上兵庫のケア・システムで

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オリジナル商品開発

 福祉用具関連の企業から三十五歳で独立し、もうすぐ二十年。「ないものは創ればいい」と、今ある介護用品に新たな機能や工夫を加えたオリジナル福祉用具の企画・開発に力を注ぐ。特許や意匠登録も取得するなど「人がやらないことしか興味がない」と断言、福祉用具のセミナー講師としても県内外を飛び回る。

 医学や介護の知識は、現場経験や図書館での独学。人がやらないことをするために必要な専門的な知識も「現場で絶えず疑問を持つこと」で身に付けた。

 また福祉用具関連企業の社員としてレンタル業に従事する中で、何でも介護保険制度を使ってレンタルすることに疑問を感じ、起業した会社では、用具を買う余裕のある人には購入してもらう一方で不要になったら買い取り、安い中古品として坂井や奥越などの地域内で循環させる販売・レンタル、再利用ビジネスも考えた。

 介護と言えば最優先で用意されるベッド。介護を受ける人が起き上がれるようにするためでもあるはずの介護ベッドが、今は寝かせっきりにするために使われていると、現状を嘆く。「有効に使われない介護器具に貴重な介護保険を使うくらいなら、デイサービスや訪問リハビリテーションなどマンパワーが必要なものを優先した方がいい」とさえ言う。そこには「生活の質を変えるように、福祉用具を使ってほしいから」との思いがある。

 要介護者が使いやすい形を工夫したベッド用テーブルや体を動かしやすいシート、介護用のノート、手袋、床擦れ予防のクッション−。開発したオリジナル商品も、介護する側される側が快い現場にしたいという思いが詰まっている。

 今後の事業展開としては「メーカーになりたい。ショップ展開も続けるが、自分で作ったものを全国発信したい」と意欲を語る。オリジナル商品のほか、他社商品に現場の視点で改造を加えた商品も開発。来年四月には金沢市や中京方面に拠点を設ける計画だ。「仲間づくりをしたい。自分の作った商品で介護の世界に寄与したい。開発した商品を分かった上で使ってほしいから、販売現場に入って困った人を助けたい」と熱意がほとばしる。

 「医療や看護はキュア(治療)で、できないことを直すこと。ケアでは、できることを伸ばしてあげたい。見守ること、体をさすってあげることだけがケアと思われているのは悔しい。ケアも専門職だ」と訴える。

 「あなたに会えて良かった」−。この仕事を続けてきた中で聞いた最高の賛辞だ。「これからもそう言ってもらえるような仕事ができれば最高ですね」 (中田誠司)

 山場 浩社長

 勝山市出身。亜細亜大卒業後に帰郷しOA機器販売会社に勤務後、92年に介護福祉用具関連企業に転職。介護福祉に発展性と必要性を感じ一生の仕事することを決意、起業した。1961年11月10日生まれ。

 福祉用具のレンタル、販売、企画・開発など 

 ケア・システム(坂井市) 

 1997年に勝山市で創業。2000年4月に介護保険指定福祉用具貸与事業所、高度管理医療機器等販売・レンタル事業所にそれぞれ登録。05年12月からオリジナル福祉用具の企画・開発・販売を始めた。06年10月に事務所を坂井市坂井町に移転した。オンラインショップでは福祉用具の中古品を地元で循環させる「地産地消システム」も展開している。従業員5人。資本金300万円。

 

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