トップ > 日刊県民福井から > ふくい経済 シゴト咲く > 記事

ここから本文

ふくい経済 シゴト咲く

食に強いこだわり 夢 食 堂

 滝波 裕幸(たきなみ・ひろゆき)社長 48歳

「夢食堂」代表取締役で、御食事処なかや店主の滝波裕幸さん=敦賀市本町で

写真

敦賀をもっと元気に

 原発の長期運転停止に伴う作業員の減少にかかわらず、好きが高じて委託運営にこぎ着けた養鶏を売りに、御食事処・なかや(敦賀市本町)で安定した経営を築いている。

 転機は十数年前、地元の博物館通りで開かれた「晴明の朝市」にあった。露店に並んだ烏骨鶏の卵を購入し、日課だった卵かけご飯で味わうと「全く臭みがしない」と驚いた。すぐに農家に連絡し、市内にある農場を見学。「動物特有の臭いがしない飼育小屋の管理の仕方や鶏の羽の美しさに圧倒された」

 店で卵を使いたいと農家に打診したが、自家消費程度しか飼育しておらず、当初は取引に消極的だった。半年近く通い続け、コストのかかる飼料代をなかやで扱う野菜の切れ端や魚のあらで賄う案を持ち掛けたところ、農家は委託運営を快諾。現在では、農家は烏骨鶏や名古屋コーチンなど約十五種、計三百五十羽を飼育している。

 「卵焼きやシメの卵かけご飯を食べたお客さんは卵の味があっさりしていると喜んでくれる。卵を買って帰る人もいる」と手応えを感じる。

 地元のリピーターを中心に一日に平均六十〜百人が来店する。東日本大震災以降は地元の飲食店は厳しいが、なかやの売り上げは落ち込んでいない。「お客さんと仲良くなって、一緒に釣りに行ったりするから気軽に来てもらえるのかな」と笑う。

 最近は、店をPRするユニークなポスターを制作した。養鶏場で鶏を抱く滝波さんの写真に「よう産んでくれたな。…で、食べてもいい?」というメッセージを添えた。「見た客が楽しんでもらえたらいい」。遊び心も忘れない。

 もともと好奇心の強い性格。三十歳を過ぎたころ、店で働きながら一年間、知人のつてで定置網漁を体験した。睡眠時間は二時間だった。それでも「漁師の苦労を知った上で、魚を扱いたい」という思いがあった。

 夏野菜を中心に栽培する農場も運営するなど、食へのこだわりは強い。敦賀は自然に恵まれ、食材が豊富。「あそこの料理は全ておいしいっていう店を目指し、敦賀ももっと元気にしていきたい」 (古根村進然)

 滝波 裕幸社長

 敦賀市出身。同市角鹿中から三重県の私立高校に進学。福井市の天谷調理師専門学校(現天谷調理製菓専門学校)を卒業し、京都の料亭で修業。25歳で家業のなかやに入店し、料理人を務める。10年前に店主になった。1968(昭和43)年1月27日生まれ。

 飲食店経営、食品製造販売など 夢食堂(敦賀市)

 2011年1月に敦賀市本町に設立。同じ場所で、御食事処なかや(従業員8人、年商5000万円)を経営する。野菜栽培の農場を運営するほか、養鶏場を委託運営している。

 

この記事を印刷する

PR情報

地域のニュース
愛知
岐阜
三重
静岡
長野
福井
滋賀
石川
富山

Search | 検索