トップ > 日刊県民福井から > ふくい経済 シゴト咲く > 記事

ここから本文

ふくい経済 シゴト咲く

ネット事業で成長 オールコネクト

 岩井 宏太(いわい・こうた)社長 34歳

「社会をにぎやかにしたい」と語る岩井宏太社長=福井市栂野町のオールコネクト本社で

写真

11年で売り上げ1500倍超

 十一年前、四人だった社員が百倍になった。七百万円だった年間売上高は、今や百十一億円に。インターネットでの販売代行で成長を続けるベンチャー企業のトップは毎週、東京と福井を往復する忙しい日々を送る。

 「なぜ福井なのか。よく言われます。でも、ネットの仕事をしているので、どこでもいい。他の県に行かないといけない意味はないんです」

 原点は高校二年の冬。お年玉で買ったパソコンでネットの世界に触れた。「あの感動は覚えている。本当にすごかった。全部の情報がそこにあった」。信号機すらない岐阜の山奥から回線一つで世界中につながる。ただただ感動した。

 カヌーのスポーツ推薦で福井工大に進学。四年時にネット回線の販売アルバイトで、社会人も含めて百人中トップの営業成績を収めると、卒業に合わせて仲間と会社を起こした。

 手掛けたのはインターネット回線の訪問販売。しかし、現実は厳しかった。そもそもバイト先の企業が手を引いた地域。さらに自然災害が襲う。いわゆる「平成十八年豪雪」。車は前に進めず、何とかたどり着いた先では雪かきを頼まれた。通帳の残高は二百三十一円。「倒産かな」と覚悟した。

 いちるの望みを託したのがインターネットでの販売。「既にネットを利用している人に回線を売る」。常識ではあり得なくても、他に道はなかった。ネックは広告費。何せ資金がない。「五万円あれば二十件くらいは契約が取れます」。取引先の担当者にアピールした。返事は「契約前には払えない」。それでも必死に頼み込んだ。

 翌日、驚いた。担当者は個人名で五万円を振り込んでくれたのだ。「あれがあったから、今があるかもしれません」。ネットの広告費や運営費、コールセンターまでを一手に担い、販売量に応じて手数料を受け取る。完全成果報酬型でのネット販売は起死回生の一手となった。

 一一年三月にはトラブルで売り上げの七割近くを占めた企業との取引が止まり、再び倒産を覚悟したが、新たな事業で乗り切った。「自分一人じゃどうにもならないのを感じた。あのときに会社が強くなった」と振り返る。

 社員も売り上げも右肩上がり。それでも満足することはない。電力自由化に伴い、電気の取り次ぎ販売にも乗り出す。「物が売れれば景気が良くなり、社会がにぎやかになる。そのリーダーであり続けたい」。福井から世の中を動かす。 (高橋雅人)

 岩井 宏太社長

 岐阜県八百津町出身。八百津高からカヌーのスポーツ推薦で福井工大経営工学科に進学。立命館大も選択肢にあったが「趣味のスノーボードができる」と福井を選んだ。2005年4月、大学卒業と同時に起業し、社長に就任。1982年5月21日生まれ。

 ネットでの販売 代行事業など オールコネクト(福井市) 

 2005年4月に通信回線の販売代理店事業を目的に設立。06年12月からインターネットでの販売代行を始める。無償でサービスを展開し、売り上げから報酬を受け取るスタイルで、ネット回線のほか、携帯電話や保険の取り次ぎも手掛ける。資本金5億6510万円、従業員412人。

 

この記事を印刷する

PR情報

地域のニュース
愛知
岐阜
三重
静岡
長野
福井
滋賀
石川
富山

Search | 検索