トップ > 日刊県民福井から > ふくい経済 シゴト咲く > 記事

ここから本文

ふくい経済 シゴト咲く

安全と快適性追求 福井中央観光

 吉田 周司(よしだ・しゅうじ)社長 59歳

おもてなしを重視しつつ「風通しのよい会社にしたい」と話す吉田周司社長=福井市八重巻町の福井中央観光で

写真

バスに担当者制導入

 幼いころに憧れたバスやクレーン車などの「働く車」。憧れだった存在が仕事になった。貸し切りバス会社は、ただ人を運ぶだけではないサービス業と位置付け、顧客の安全と快適性を追求。会社の立ち上げ当時も今も「おもてなしの心」を忘れない。

 車が好きだったこともあり、二十代から三十代後半は、自動車学校の教官として勤務した。親戚から資格を取ることを勧められ、四十歳の時に社会保険労務士の資格を取得した。事務所を構えた後、再度親戚からの「バス会社をやってみれば」という一言で一念発起。会社を立ち上げた。

 「最初は中古三台で始まった。借入金の返済が非常に不安だった」。四十八歳で会社を設立、憧れはあったものの不安は拭えなかった。自らもハンドルを握り、冠婚葬祭関係の仕事を中心に請け負う中、お客さんから「サービス精神が感じられる」などと声を掛けられ、評価を得ていった。学校の部活動の送迎も始め、安全性や時間が正確なことなど丁寧な仕事ぶりで先生たちとの信頼関係を築き、勤務先の学校が変わった先生からも継続して依頼を受けるようになった。

 現在はバス十三台を保有するまでに会社は成長。当時四人だった従業員も十五人に増えた。変わらないのは「おもてなしの心」。バスに担当者制を導入し、運転手たちは「自分のバス」という意識を持ち、率先して清掃などに取り組む仕組みを取り入れた。新車両も導入。客席の床が高く、車内からの見晴らしが良いという大型の「スーパーハイデッカー」も加え、移動中も快適な環境づくりに努めている。

 貸し切りバス運行に欠かせないのは安全性。全国で相次いだバス事故を受け、二〇一三年には「携帯型心電計」を導入するなど運転手の健康管理には注意を払う。一四年には日本バス協会の安全性評価認定制度での「一つ星」を取得するなど安全への意識は高い。

 運転手ら従業員に対しては「この会社で働いていてよかったと思ってもらいたい」と、働く側の立場に立ち、風通しの良い会社にすることを心掛ける。年に数回ある懇親会の場を「本音で話し合える場」として重視する。

 「お客さんに乗って良かったと感じてほしい」。おもてなしの心は、利用者に確実に伝わり、リピーターが増え、業績も伸びている。安全で快適な旅を意識し、これからもバスとともに走り続ける。 (中場賢一)

 吉田 周司社長

 福井市出身。長年、自動車学校に教官として勤務。社会保険労務士の資格を持ち、事務所も主宰する。社労士のほか、第一種衛生管理者など20を超える国家資格を持つ。1957(昭和32)年5月22日生まれ。

 貸し切りバス事業 福井中央観光(福井市) 

 2004年設立。観光旅行や冠婚葬祭、社員旅行、学校向けにも部活動の遠征や遠足などの送迎を受け付けている。バスは大型6台、中型3台、小型4台の計13台を保有している。日本バス協会、県バス協会所属。資本金1000万円。従業員15人。

 

この記事を印刷する

PR情報

地域のニュース
愛知
岐阜
三重
静岡
長野
福井
滋賀
石川
富山

Search | 検索