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ふくい経済 シゴト咲く

食は基本 こだわり ケア・フレンズ

 脇屋 和美(わきや・かずみ)社長 58歳

「地域での助け合いを大事にしたい」と話す脇屋和美社長=福井市松本2丁目のまちよかカフェで

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“最期まで”の場つくる

 福井市松本二丁目の市街地の一角にあり、ケア・フレンズが運営する「まちよかカフェ」。二〇一四年三月に三階建てビルの一階にオープンした店内は花で飾られ、コーヒーやジュース、ケーキ、軽食などを気軽に楽しめる。他のカフェと少々異なるのは、介護サービスの会社が運営している点だ。

 ビルには本社のほか、運営する居宅介護支援事業所や訪問介護事業所などがあり、カフェを含む利用者らの食事の調理場も設けている。「食は基本。栄養バランスが良く、体に優しいものをおいしく食べてほしい。だから、自分たちで作ることにこだわっている」。まちよかは公募で決まったビルの愛称。「松本」「チャレンジ」「喜び」「感動」の各頭文字を取って名付けられた。

 創業は介護保険制度が始まる直前の二〇〇〇年三月。制度開始に向けた勉強会などで知り合った看護師らと意気投合して起業。事業は在宅介護が中心で、市内に五カ所の拠点があり、延べ二百人以上が利用する。

 うち、照手一丁目の小規模多機能型居宅介護事業所「くつろぎの家」は、マンションに暮らしながら二十四時間のケアサービスが受けられる。開設は〇六年で、近年普及している「サービス付き高齢者向け住宅」(サ高住)と似た役割を果たしている。「自宅での生活が難しくても、施設に入らずに在宅生活を続けられる」と話す。

 ただ、その年は会社が苦境に追い込まれた時期でもあった。介護保険制度で要支援が新たに設定され、要介護からの移行が進んだことなどが響き、収益が大きく悪化。スタッフの退職も重なった。周囲の支えで何とか持ちこたえ、くつろぎの家の開設で立て直しにつなげたが、黒字化には想定以上の時間がかかったという。

 くつろぎの家がある照手一丁目は従来、拠点としていた宝永、松本両地区と少し離れている。開設にあたっては、地域で認知してもらえるようスタッフらもこまめに行事に足を運んだり店舗を利用したりした。「何をするにも人は宝。自分一人では何もできなかった」と振り返る。

 自分らしく“最期まで生きる”場づくりへの意欲は今後も変わらない。「年を取っても障害があっても自分の望む場所で自分らしく生き続けていきたい。利用者のそんな思いを受け止めるまちづくりに少しでも貢献できれば」と力を込める。 (平野誠也)

 脇屋 和美社長 

 藤島高校、金沢大薬学部を卒業。旧福井医科大(現福井大医学部)で実習指導や県薬剤師会の運営する調剤薬局勤務などを経て、創業した。1957(昭和32)年8月30日生まれ。

 ケア・フレンズ(福井市) 

 2000年3月、福井市高木中央2丁目で創業。市内を移転し、14年3月に松本2丁目の現在地に本社を構えた。従業員107人(4月末現在。パート、アルバイト含む)。資本金2400万円。

 

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