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ふくい経済 シゴト咲く

農産物で利益追求 若狭の恵

 前野 恭慶(まえの・やすのり)社長 54歳

「地域の農地を守っていきたい」と抱負を述べる前野恭慶社長=小浜市加茂で

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園芸加えて上目指す

 小浜市宮川地区の百ヘクタールを超える農地を集積して大規模な農場を造ろうと、研修を重ねている最中だった。「おまえしか社長になるもん、おらんやろ」。仲間からの打診に「農業経営かあ。商売として、おもしろいかも…」と引き受けた。

 実家は一ヘクタール余りを耕作する兼業農家。若いころから農作業を手伝ったが、興味はなかった。転機は地元に稲作の生産組合が発足した一九九九年。「若いから」と農業機械を操作するオペレーターに誘われたのがきっかけで、地域農業に関わることになった。

 〇四年には地区防除協議会が産業用無人ヘリコプターを導入。家業を引き継ぐ形で設立した縫製・印刷会社「ファニーアート」がヘリを管理する形で農薬散布を請け負うまでになった。

 二つの会社の社長として責任を負う立場になったが「苦しくてもなんとかなる」と歯を食いしばり、ファニー社社員二十人余りと、若狭の恵の役員四人、社員二人を束ねる。

 「人と交わる商売をして長くなった。最後は土と関わる仕事がしたいね、と妻と話していたところに、この話がきた。大規模な農業経営はもちろん初めて。でも、やってみないことにはわからんでしょ」とおおらかだ。

 一方で、意識するのは徹底したコスト管理と販売戦略。地区の生産組合から買い取った中古農機の修理はメーカーに頼らず自ら担当して経費を削減。機械操作に絡んだ補助作業、田んぼの草刈りなどは地区内に設ける一般社団法人・宮川グリーンネットワークに委ね、その分の時間を営業活動に充てることにした。

 「会社に課せられたのは農産物の販売による利益の追求。今後は生産したすべてのコメを玄米から白米にして独自に売れるよう設備を整えていきたい」と力を込める。

 社内ではジネンジョの生産やハウス栽培によるトマトの出荷計画も机上に上がっている。初年度は年商一億三千万円を目標にするが、こうした園芸を加えることでさらに上を目指す。「社長は方向性を示して有言実行。あとは社員を信頼して任せればいいんですよ」と笑った。 (池上浩幸)

 前野 恭慶社長

 小浜市加茂出身。市内の旧若狭農林高を卒業し、会社に勤めた後、2001年に縫製と印刷の会社「ファニーアート」を設立。「若狭の恵」社長も引き受けた。1961年6月16日生まれ。

 農産物の生産・加工・販売など 若狭の恵(小浜市)

 2015年7月設立。小浜市宮川地区の農地143ヘクタールで水稲、大麦、大豆を栽培する。嶺南地方で初の大規模農場としてJA若狭を含む18個人・団体が出資し資本金は370万円。社員6人

 

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