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ふくい経済 シゴト咲く

時流の“サーファー” 株式会社サーフボード

 田嶋 節和(たじま・せつかず)社長 62歳

「ウェブを通じて顧客とともに成長したい」と話す田嶋節和社長=福井市開発2丁目のサーフボード本社で

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ネットの伝道者 成功にとらわれず 

 時流に乗る。社名の「サーフボード」にはそんなモットーが込められている。波乗りのように、インターネットのウェブサイトを次々に検索して情報を得る「ネットサーフィン」にも由来。「伝統産業は技術を守るが、情報技術(IT)は一つの技術に固執すると時代に乗り遅れてしまう」と話す。

 今年で創業二十周年を迎える。以前は情報処理業の共同コンピュータから出向していた大手商社・丸紅で、同社と繊維企業を結ぶネットワークのプロジェクト事業に携わっていた。身の振り方を考えていたある日、丸紅の担当者から声を掛けられた。「インターネットを知っているか」。普及が始まって間もない米国発のネットについて初めて耳にした。「独立するならネットをやってみたら」と背中を押された。

 福井大、県立大などの学生をアルバイトで募り、旧松岡町(永平寺町)で創業。ネットを高速道路に例えて一から説明して回り、ホームページ制作の事業を全国五百社まで拡大した。「ネットの伝道者みたいなものでした」と笑って振り返る。

 苦境に陥ったのは二〇〇〇年。健康診断で胃がんが見つかり、三カ月入院した。新興ベンチャー企業のトップが病に伏せっていることが知れれば、経営にも悪影響を及ぼす。何事もなかったかのように病室からメールで顧客らと連絡を取った。がんは克服したが将来を案じたためか、社員の一部は会社を去っていた。

 近年はスマートフォン(スマホ)の普及が著しい。顧客のサイトへのアクセス回数がパソコンを逆転したといい、スマホ向けのサービスの充実が求められる。昨年開発した企業向けのサービス「ちゃくちゃくリクルート」はその一環。企業が内定を出した学生に行動目標を立ててもらい、スマホを通じて達成状況を確認するシステム。内定者の意欲向上と、入社辞退の回避を図ってもらう。

 ただ、パソコンより小さな画面で過不足のない情報を伝えることや、一層の即時性が求められる。「今はパソコンからスマホへの過渡期。これまでの成功体験にとらわれず、サービスのノウハウを蓄積しなければいけない」と強調する。

 社員の多くは二十、三十代。しかし、「アイデアや企画力ではまだ私の方が若い」と自負する。「次々にアイデアが浮かんで、社員から朝令暮改と言われることも」と苦笑する。スマホの普及を受けた事業環境の変化の大波を持ち前の発想力で乗りこなせるか。「正念場」と覚悟している。 (平野誠也)

 田嶋 節和社長

 東洋大工学部卒。共同コンピュータに入社し、丸紅への出向などを経て創業した。グループ会社のプログラミングファストの取締役も務める。1953(昭和28)年6月28日生。

 HP制作など サーフボード(福井市)

 1996年4月創業。2000年8月に福井市に本社を移転。企業などのホームページ制作や運用のコンサルティング、社員研修などの事業を手掛ける。従業員14人(パート、アルバイト含む)。資本金1000万円。

 

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