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サウルコス福井

サウルコス資金難に 県サッカー協会が支援へ

 サッカー北信越一部リーグに所属し、Jリーグ入りを目指すサウルコス福井を運営するNPO法人「福井にJリーグチームをつくる会」が資金難に陥り、今後の運営が不透明となっていることが分かった。支援の要請を受けた県サッカー協会は、存続に向けて資金確保に動く意向だ。

 チーム関係者によると、運営にかかる費用は年間約七千万円で、六割が人件費という。運営資金のうち、スポンサー企業の協賛金は約五千万円。残りは梶本知暉理事長個人の資金で補ってきた。北信越一部リーグに参入したころから、こうした状況が続いていた。

 今月、梶本理事長が体調を崩して入院し、これ以上は続けられないと意思表示したため、今後の運営資金確保が問題となった。

 つくる会の事務局はスポンサー企業に支援拡大を要請したが、資金確保は難航。二十五日の臨時理事会では「解散やむなし」との声も出た。その後、県サッカー協会との協議で、同協会が支援に乗り出すことになった。

 県協会は、Jリーグ入りを目指す県内唯一のチームで、今秋の福井国体でサウルコス福井の選手が成年男子チームの主力を担うことなどから、今季のチーム存続に向けた支援を決めた。来季以降も存続できる形を模索する。県協会では、スポンサー企業の確保を目指すほか、県民からの支援金も募る予定でいる。

 チームは今季、リーグ戦第六節終了時点で負けなしの首位。実情は二十六日に県協会幹部らが選手に伝えた。主将の橋本真人さん(28)は「自分たちは支えられてサッカーができている。もう一度身を引き締めてやっていく」と語った。 (藤共生、谷出知謙)

理事長個人に頼りすぎ

 サウルコス福井が資金難に陥った背景には、梶本知暉理事長個人に頼りすぎていた点がある。理想的なサッカークラブ経営を探って全国のクラブチームに聞くと、サウルコスの運営のもろさが垣間見えた。

 「地域リーグの経営は確かに厳しい」。地域リーグの一つ、中国リーグの松江シティFC(島根)社長の鈴木恵朗さん(59)は説明する。リーグの中でも実力がある松江シティFCが見据えるのは、リーグ戦ではなく、日本フットボールリーグ(JFL)昇格に向けて争う全国地域チャンピオンズリーグだ。鈴木さんは「ここで勝つためにも、人件費は欠かせない。JFLなみに金がかかる」と話す。

 松江シティFCは、予算全体のうち人件費が半分を占める。二〇一四年にJ3が発足したことで、プロ選手が増加。活躍の場を求めて地域リーグに挑む選手もおり、支払う給料は増えている。サウルコスと同じNPO法人だった松江シティFCは昨年四月、株式会社化に踏み切った。鈴木さんは「NPOだとどうしても資金調達ができなかった」と言う。

 サウルコスは、Jリーグ参入チームを参考に、地域リーグ所属時はNPO法人、JFL昇格時に株式会社化すると決めていた。地域リーグ時は収益の見通しが立たないとして株式会社化を敬遠してきた。しかし、松江シティFCでは、株式会社化したことでスポンサー増につなげ、銀行からの融資も受けた。多くの人に会場に来てもらうため、今年から試合の入場料を無料にする一方、グッズ販売やスポンサー獲得に力を入れている。

 今季から、JFLに参入するコバルトーレ女川(宮城)は、〇六年の発足時から所属選手全員が女川町付近の一般企業で終日働き、クラブは選手に給料を払っていない。クラブが企業側に提案して成り立ったスタイルだ。所属選手のうち、Jリーグに所属していた選手は一人しかいない。

 コバルトーレ女川の目標は「百年続くクラブ」で、地域に根付くことを目指す。GMの阿部裕二さん(47)は言う。「選手に給料は払えるけど、いつか会社が破綻する。不安にならないようなチームづくりをしないといけない」

 (谷出知謙)

 

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