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戦争語り手 確保難航 あす太平洋戦争開戦記念日

大切に保管されている講演録を見せる菅原安希さん=おおい町立名田庄図書館で

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名田庄図書館講座 紹介や情報提供求める

 おおい町立名田庄図書館が夏に催している講座「戦争を語る」で今年、講師を務め、東京大空襲の被災体験を伝えた小浜市相生の興禅寺住職の木崎浩哉(こうさい)さん(93)が先月二十日、亡くなった。来年十五回目を迎える講座だが、近年は木崎さんのような高齢の語り手確保が難しく、開催が危うくなっている。八日は太平洋戦争の開戦記念日。

 これまでの講座では、名田庄地区の住民を中心に広島での原爆被爆やシベリア抑留などの体験者を募り、戦争の記憶を次世代に引き継いできた。しかし、語り手が亡くなるなど、講師探しが難しくなっており、旧満州(中国東北部)からの引き揚げ者の息子など、戦争体験者の二世にも講師を依頼するなどしている。

 最近では、二〇一五年は小浜市下田の中西弘さん(一七年十一月死去。享年九十四歳)が西部ニューギニア戦線の従軍体験を大切に保管してきた資料を手に講演。一六年はおおい町名田庄久坂の下中昭治さん(89)が航空隊練習生として特攻機を見送った体験談を語った。しかし、一七年は講師が見つからず、それまでに講演した故人の体験手記の朗読を行うなどして、何とか開催した。

 今年は偶然、木崎さんの修行歴をまとめた冊子が地域住民の手で発行され、これを目にした同図書館職員の菅原安希さん(31)が木崎さんに講師を依頼。木崎さんは快諾し、米軍の焼夷(しょうい)弾による火の海の中を、友人と逃げ惑った体験をかみしめるように話し、「私だけが生き残った」と講演を結んだ。生々しい内容に約八十人が耳を澄ませた。

 一五年の中西さん以来、講座を担当している菅原さんは「日々の業務の中で得た人脈から語り手を探しているが、来年はまだ見通しがついていない」と話し、語り手の紹介や情報提供を呼び掛けている。

 これまでの講演記録は、冊子や映像記録として同図書館で保管されており、閲覧できる。 (山谷柾裕)

 

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