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市立図書館 変わる役割 福井市 前身は松平家が建設

旧市立図書館(『福井案内記』より)=福井市立郷土歴史博物館提供

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藩の研究→まちづくり拠点

 一九〇九(明治四十二)〜一九五〇(昭和二十五)年に、福井市内にあった「市立福井図書館」。現在は福井市文京二丁目にある市立図書館の前身だ。福井藩主だった越前松平家が建設し、藩政史料などとともに市に寄付し、市内初の公共図書館となった。福井藩を研究する拠点で、まちづくりの一翼も担うなど、今とは違う図書館の役割を果たしていた。 (坂本碧)

 市立福井図書館は現在の大手三丁目に建った。一九〇〇年と〇二年に九十九橋の南と北を焼く大規模な火災が相次いで発生。火災以後、商業施設などが福井駅周辺に建ち、町ができていった。図書館建設は、市街地が形成される初期の段階だった。

 近くには旧制福井中学校があり、学生や教員、研究者が多く利用した。「エリートが藩の軍事力や学問などを検証し、閉架書庫も多かった」と市立郷土歴史博物館の学芸員、山田裕輝さんは説明する。その反省もあり、現市立図書館は、市民が流行の本を手軽に手に取れるように変わった。

 昭和初期には市が、市の経済や観光についての本を多く作成したという。「福井市を愛する精神を養おうとする行政の意図があった。昔の人たちが進めようとした町づくりの様子が分かる」と語る。

 こうした市立福井図書館の様子を、郷土歴史博物館で開催されている企画展「旧市立図書館と近代福井のあゆみ」で紹介。旧蔵書や建物の写真など六十四点を展示している。

 現市立図書館は、市の財政難で見送り対象となり時期は未定だが、改修に向けた計画がある。北陸新幹線の県内延伸に向けて、JR福井駅を中心にした市街地開発も進む。山田さんは「展示を見て、これからの市立図書館をどういう施設にしたいか、どんな魅力のある都市にしたいか、議論のきっかけにしてほしい」と来場を呼び掛ける。

 展示は来年一月十四日まで。十二月八日、一月五日の午後二時からは、山田さんによるギャラリートークがある。

 

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