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仮想現実「みとられ」体験 「最期の選択」意見交換

専用機器を使ってみとりの仮想現実(VR)を体験する記者=いずれも6日、福井市の「いろどり二の宮」で

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福井在宅、介護職員ら研修

 いつかは訪れる大切な家族の最期のみとり。福井市二の宮三丁目の小規模多機能型居宅介護事業所「いろどり二の宮」で六日、みとられる側の視点に立った仮想現実(VR)を見つつ、在宅医療の従事者や介護職員、地域住民らが意見を交わす研修会があった。高齢者向け住宅でのみとりを促すための国の調査研究事業で、県内では初めて実施。記者(47)も体験し、「今から準備が必要だ」と心を動かされた。 (青木孝行)

 みとられる側が、どのように感じながら終末期を迎えているかなどを専用ゴーグルによるVRで疑似体験。「幻視に襲われる認知症の患者」「救急医療で心肺蘇生されている高齢者」「終末期を迎え、心情をつぶやく高齢者」を次々と体験した。心肺蘇生の場面では、家族に見守られるなど日常では見ない光景だけに、体験中、記者も心を揺さぶられた。

 課題に挙がったのは、当事者の最期の医療の選択だ。医師に延命治療の選択を促される家族の場面では息をのんだ。病状が悪化する前に、家族が当事者の意思をどのようにくみ取っていくのかが重要。参加者三十人が、六つのテーブルに分かれ、ディスカッションした。

 いろどり二の宮など高齢者の在宅医療や介護事業を展開するシンカイグループ(福井市)の小林優子さん(45)は、記者の隣で「当事者意識を持って働いているが、VRで想像がリアルに感じられた」と話した。

 記者は「自身の、みとられ方の準備をしなければ」と感じた。しかし、死生観に関わるだけに「難しい問題だ」と、他の参加者と思いを共有した。

 国の調査によると、高齢者向け住宅では、介護職員らのみとりへの理解が浸透していない。このため、二〇一〇年の死亡者数に占める死亡場所別の割合は病院と診療所が80・3%と大半を占めている。

 

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