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福井発

仕事や台風… 観戦へ重い足 100人アンケート 交通の便 悪さも

雨が降り続く開会式で選手たちに声援を送る観客たち=9月29日、福井市の県営陸上競技場で

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 開催県として三大会ぶりに男女総合優勝の天皇杯を獲得して幕を閉じた福井国体。関係者が快挙に沸く一方、各地で繰り広げられた熱戦を会場で観戦しなかった県民もいる。福井市内で百人の理由に耳を傾けると、仕事や台風などやむを得ない理由が多かった一方、交通の便の悪さや成績を追い求めた国体に違和感を訴える声が上がった。 (鈴木啓太、片岡典子、小川祥、籔下千晶)

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 理由については複数挙げた人もいたため、集まった回答数は百九十五になった。「仕事・学校」は、最多の五十一人が挙げた。福井市の会社員小林貞子さん(65)は「行けばきっと感動すると思ったけれど…」、同市の女性(56)は「陸上の山県亮太選手を見たかったが、その日に仕事があって」と、それぞれ残念がった。

 交通の便の悪さを指摘する声も目立った。「会場が遠い」との意見は十八人、「会場へのアクセス方法が分からなかった」は十二人、「シャトルバス乗り場や駐車場が分からなかった」が十四人だった。

 福井市の実行委員会は、JR福井駅近くから会場へのシャトルバスを運行した。しかし、日ごろ、移動に公共交通機関を利用している同市の女性(63)はシャトルバスに乗るために、まず駅まで出る必要があったといい「発着場所がもっと近い場所にあったらよかった」と希望した。

 時刻表や乗降場はインターネットで公開されていたが、福井市の会社員男性(67)は「ネットを使わない人には分からない」と指摘。「地元の住民が分かっていないのに、県外から来た人に分かるはずがない」と厳しい。

 福井市の担当者は「乗り場は広報などで早めにお知らせできたが、時刻表は直前の決定になりネットになってしまった」と説明。「今後はできるだけ早め早めに広報をしていきたい」と受け止めた。

 そのほかの回答では、「競技の開催日時が分からなかった」は十七人、「会場の混雑が予想されたため」が十五人だった。

 「その他」を挙げたのは三十七人。うち、国体に関心がないと答えた人は二十三人いた。敦賀市の男性(70)は観戦に行かなかった理由を冷静に分析した。「選手には敬意を表したいが、なぜ順位にこだわる必要があったのか」

 アンケートの方法 JR福井駅周辺や福井市内の商業施設前、福井大学などで9、10の両日、県民100人に聞き取り調査した。競技会場に行かなかった理由は、「仕事・学校」「会場が遠い」「台風など天候が悪かったため」など8項目から複数回答可能で選んでもらい、選択肢にない場合は「その他」で答えてもらった。

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21人「悪天候」雨の印象強く

開会式当日 福井で降水量76ミリ

 雨の総合開会式に始まり、台風の接近と雨の印象が強かった福井国体。競技会場に足を運ばなかった理由として、二十一人が悪天候を挙げた。坂井市の女子大生(19)は「外出する機会も少なかった」。福井市の大学院二年の男性(25)は「出掛けるのがおっくうになってしまった。天気が良かったら、せっかくの機会だし行ったかも」と話していた。

 福井地方気象台によると、福井市の県営陸上競技場(9・98スタジアム)で総合開会式があった九月二十九日は、福井では十一日間の会期中、最多の七六・〇ミリの降水量を記録。同日の最高気温は一八・六度と十一月上旬並みの肌寒い日になった。福井、敦賀ともに会期の半分以上の六日間で一ミリ以上の降水量があった。

 天候は、来県された天皇、皇后両陛下の日程にも影響した。当初は九月二十八〜三十日に県内に滞在予定だったが、台風24号の接近により予定を変更し、二十九日夜に帰京した。

 県によると、台風の影響などで八競技の日程が変更になった。今夏の甲子園を沸かせた大阪桐蔭(大阪)の根尾昂選手や金足農(秋田)の吉田輝星投手らの出場で注目が集まった高校野球(硬式)は、初日の九月三十日の試合が中止になり、三日の準決勝、決勝は実施されなかった。 (鈴木啓太)

 

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