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県民衛星に開繊技術 知事が活用検討方針

耐性など課題に

 二〇二〇年度の超小型人工衛星の打ち上げを目指す「県民衛星プロジェクト」で、西川一誠知事は十一日、県工業技術センター(福井市)が特許を持つ炭素繊維の「開繊技術」について、衛星本体への活用を検討する方針を示した。宇宙環境での耐性など課題をクリアできれば、県産技術が宇宙へと飛び立つことになる。 (山本洋児)

 県議会予算決算特別委員会で、長田光広委員(県会自民党)の質問に答えた。プロジェクトは、県や企業などでつくる「県民衛星技術研究組合」が実施主体。人工衛星は、燃料費などの打ち上げコストの削減が課題になっている。

 開繊は、炭素繊維を薄く広げる技術。西川知事は「衛星自体の軽量化が重要になる。土台に開繊技術を用いると、通常使用されるアルミニウムに比べ強度が三倍になり、重量を三分の一に抑えられる」と説明。放射線や熱など宇宙環境での耐性、他部材との接合強度を検討し「クリアできれば県民衛星に活用したい」と述べた。

 県民衛星の製造は一九年度から、県工業技術センターを拠点に始まる予定。西川知事は「製造過程には企業秘密が含まれることに留意がいるが、工夫をして見学会などを行いたい」と、県内の子どもたちに宇宙や科学技術への興味を高めてもらう取り組みを進める考えも示した。

 県民衛星を巡っては、組合が一七年五月、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が打ち上げるイプシロンロケットへの搭載を申請した。県によると、JAXAは十一月末に採択結果を公表する予定。

 一方、県民衛星から得られるデータの利活用として、安倍暢宏産業労働部長は「県土の画像データを新旧比較し、変化を自動的に検知するシステムを開発中」と明らかにした。山地などの状況を低コストで広範囲にわたって定点観測することが可能になり、防災への活用が見込まれる。

 開繊 炭素繊維などの強化繊維束を均一に薄く広げた状態にし、繊維束の中に樹脂を含ませやすくするための技術。県工業技術センターが開発した技術により、炭素繊維シートの厚さは従来の0・17ミリに比べ、0・057ミリまで薄くすることが可能となり、軽量化や曲げに対する加工性が良くなる。航空機のエンジン部材などに使われ、燃費向上に役立っている。

 

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