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福井発

不安と祈り乗せて実家へ支援へ フェリー敦賀出港

北海道地震 

出発前の手続きを進める乗船客ら=敦賀市の敦賀フェリーターミナルで

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 北海道の地震で現地への交通手段の多くが遮断される中、新日本海フェリーの苫小牧東港行きが七日未明、通常通り敦賀港(敦賀市)を出港した。急きょ北海道へ帰る人や災害支援に向かう人が、不安と焦りが入り交じる中、船に乗り込んだ。=<1>面参照 (高野正憲)

 六日午後十時ごろから、乗船客が敦賀フェリーターミナルに集まり始めた。二階の待合フロアでは、乗船手続きを終えた人がテレビの地震のニュースを見つめていた。フェリーは七日午前零時半に出港。ほぼ予定通り同日午後八時五十分に苫小牧東港に到着した。

 震度7の厚真町出身で神戸市のプロ和太鼓楽団のメンバー畑嶋春美さん(25)=同市=は六日が北海道演奏ツアーの出発日だった。現地からの要請もあり、とりあえず北海道へ向かうことにしたが、新千歳空港行きの飛行機が欠航のため、フェリーに変更した。

 両親と兄弟が住む同町の実家からは、六日午前三時半に電話が来た。「無事でひとまずほっとしたが、家が傾いていて中に入れないと聞き、やはり不安です」。午前五時ごろ、テレビに映った地元の壊滅的な被害に「信じられない」と目を疑った。

 実家に一度戻る予定で、不足しているという米と缶詰をかばんに入れた。「現地の状況を目で見て確認してから、自分に何ができるか考えたい。演奏で皆さんを勇気づけられれば、それが一番いいのだが」と話し、船へ向かった。

 震度5強を観測した恵庭市の谷幸二さん(70)は三日、フェリーで敦賀に到着し、足掛け六年目となる日本一周旅行で、夫婦で自家用車に乗り九州に向かっていたが、島根県で地震を知り、急きょ引き返してきた。「五十七日間の計画で楽しみにしてたのに六日で終わってしまった。家がどうなっているか分からない」と疲れた表情を見せていた。

 災害支援に向かう国土交通省中部地方整備局(名古屋市)の先遣隊二十六人は、作業を支援する照明車五台とともに乗船した。安田幸男・総括班長は「安全を確保しつつ、被災地域の方々の一刻も早い復興を支援したい」と話した。

 自動車部品メーカー(愛知県刈谷市)に勤務する岡戸隆明さん(48)=同県幸田町=は、停電で止まった千歳市の工場へ復旧支援に向かう。「電気がなければ、破損や不具合も目視で点検するしかありません」と表情は硬かった。

定刻通りに札幌便運航小松空港

 閉鎖されていた新千歳空港が7日、発着便の運航を再開し、石川県小松市の小松空港では、全日空の札幌往復便がほぼ定刻通りに運航した。北海道の地震発生以来初めて小松空港に到着した乗客は、地震の恐怖を振り返り、疲労をにじませた。

 6日は小松−札幌間が往復便とも欠航したが、この日は札幌発小松行きの便が午後4時14分に到着した。北海道小樽市で新聞販売店を営む中一夫さん(62)は、石川県加賀市でのまちづくりセミナーに参加するため来県した。「ダーンというすごい揺れで本当に怖かった。あんな経験は初めて」と振り返り、「従業員がみんな出勤してくれて何とか新聞は配れたが…」と疲れた表情を見せた。

 出張で札幌市を訪れていた和歌山県橋本市の会社員峰巨(なおや)さん(40)は「関空行きは(満席で)乗れる便がなくて、とりあえず小松に来た」とこぼし、「すごい揺れで、寝ても怖くてすぐ目が覚めた。疲れたし、早くゆっくり休みたい」とJR小松駅へ向かった。札幌行きは午後零時25分、小松空港を出発した。鯖江市の女性(69)は「娘が札幌に住んでいる。心配なので向こうへ行きます」と不安そうに語り「電気も水道も復旧したと聞いたけど、揺れがすごく家の中はひどい状況らしい。早く手伝ってあげたい」と話した。 (青山直樹)

北電が追加派遣

 北陸電力(富山市)は七日、北海道電力の要請を受け、前日に続いて北陸三県から社員二十四人を北海道の被災地に追加派遣した。一台で百世帯分の電力をまかなう高圧発電機車と作業・運搬用の車両各六台も追加で送った。被災地の避難所や病院など電気の供給が必要な場所で活動する。

 北電は六日にも社員三十八人、高圧発電機車八台、作業・運搬車八台を派遣している。

 

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