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福井発

高浜特産の薬草 ゴシュユ商機 次は神社

ゴシュユの実と試作した「茱萸嚢」=高浜町で

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京都を足掛かりに

「重陽の節句」祭礼向け

不老長寿願う風習

 不老長寿を願う九日の「重陽の節句」にちなみ、高浜町は、漢方薬原料として引き合いの多い町特産の薬草「ゴシュユ」(ミカン科)の新たな販路拡大に打って出る。取引を狙うのは、全国に八万社あるとされる神社。重陽の節句の祭礼にゴシュユの実を用いた伝承があることから、まずは伝統の再構築に取り組む京都府八幡市の石清水八幡宮にゴシュユの枝を奉納する。 (山谷柾裕)

 中国では重陽の節句にゴシュユが厄除けとして使われている。七月に岡山県倉敷市の生花デザイナーから「地域の神社の重陽の節句を復活させたい」と高浜町に打診があり、ゴシュユの枝を分けたことから新たな販路として神社に着目した。折よく石清水八幡宮が、祭事に使われるグミを本来の伝統にのっとったゴシュユに切り替えようとしていた情報をつかみ、一対のゴシュユの枝を奉納することが決まった。

 町は、新しい財源としてゴシュユの生産拡大に努めているが、漢方薬原料として売るだけでは収入は限られ、加工、流通まで手を広げる六次産業化の方策を探っていた。

 町産業振興課の田原文彦さん(48)は「ゆくゆくは茱萸嚢(しゅゆのう)(ゴシュユの実を入れた袋)を町民の手で作って、六次産業化の一助にしたい」と話し、越前和紙などを使って茱萸嚢を試作。量産化を目指して、問屋などと相談している。

 ゴシュユはこれまで中国からの輸入に頼ってきたが中国国内の内需の拡大で滞ることが見込まれており、高浜町が唯一の国内産地として名乗りを上げ、約一千平方メートルで栽培している。

 重陽の節句は、中国で盛んに祭礼が行われており、不老長寿を願うほか、高台を散策して、難を避けるという風習がある。日本にも伝わり、菊の花を飾ったり、花びらを浮かべて酒を酌み交わしたり、花露を綿に吸わせて顔や体を拭いたりして、長寿を願ってきた。

 中国では菊の花に加え、ゴシュユの実をかんざしやお守りの形で身に着け、厄をはらっているが、日本にゴシュユが輸入されたのが風習伝来から千年以上遅れた江戸時代だったため、菊に比べて存在感が薄くなった。東京・日本橋の福徳神社などで茱萸嚢が販売されているが、ゴシュユを扱う神社は少数派で、色合いが似たグミの実で代用するところが多い。

 

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