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頼れる県内薬剤師 うっかりドーピング阻止

担当するホッケーの選手と談笑するSPの五十嵐龍治さん(右)=福井市の県営体育館で

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選手や家族支援

 福井国体の開幕を間近に控え、禁止薬物の知識で選手を支援する薬剤師「スポーツファーマシスト(SP)」がアンチドーピング活動を本格化させている。県薬剤師会などは二〇一二年度から準備を進めており、競技別にSPを配置して選手と気軽に相談できる関係を築いてきた。ただ、家族や友人がうっかり禁止薬物入りの飲食物を選手に与える可能性もあり、広い理解を求めている。 (梶山佑)

 「この風邪薬は飲めますか?」。鯖江市の薬局で働く薬剤師五十嵐龍治さん(53)の携帯には、昼夜を問わず選手から電話がかかる。病院で処方される風邪薬や漢方薬、市販のドリンク剤には禁止薬物が入っていることが多い。誤った回答をすれば、選手は最長四年間の資格停止となり、競技人生を絶たれかねない。

 五十嵐さんは、日本アンチ・ドーピング機構(JADA)が〇九年に公認制度を設けたSPの一期生。「資格を生かしてスポーツに関わりたかった」という。福井国体では、自身も学生時代から続けるサッカーと、ホッケーを担当する。

 担当SPは、県スポーツ協会が実施する選手の医薬品・サプリメント(栄養補助食品)調査と面談に協力したほか、個別の相談はボランティアで応じている。五十嵐さんが担当するホッケー成年男子の監督兼選手為国壮さん(39)は「責任を持って答えてくれるので頼もしい」と信頼する。

 競技別に担当を置く制度は、一五年の和歌山国体に向けて和歌山県薬剤師会が導入した。同会の山下真経常務理事は「SPの責任は重いが、未然防止はわれわれにしかできない」と語る。同県では国体後も選手への協力を続けている。

 福井県薬剤師会は一二年度にSP委員会を設置して資格取得を奨励。当初は五十嵐さんら数人だったが、百五十人にまで増えた。一五年度から競技別の担当SPを設けただけでなく、県内の薬局約五十局で相談に応じられるようにした。

 しかし、昨年八月、前年の岩手国体の自転車成年男子ケイリンで優勝した福井県の選手が、検査で国体初となる陽性反応を示していたことが発覚。意図的ではない「うっかりドーピング」だったとして、同会は各競技への出前講座などを強化した。

 三十日に福井市の県営体育館であった壮行会でも選手への啓発活動を展開。期間中は二十四時間電子メールで相談に応じる体制を整える。ただ、選手と接する人も注意が必要として今後は一般向けの啓発活動にも力を入れる。同会の矢野七恵さん(43)は「国内のドーピングはうっかりがほとんど。福井国体の違反はゼロにしたい」と誓う。

 

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