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本当の事故だったら… 広域避難ぐったり

スクリーニングを受ける自家用車=26日、京都府南丹市の美山長谷運動公園で

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放射量測定「案内悪すぎる」

 関西電力大飯原発(おおい町)と高浜原発(高浜町)で、同時に事故が起こったと想定した原子力総合防災訓練。二日目の二十六日は、両原発の南に位置する山村集落でも、二つの県境を越える広域避難訓練があり、自家用車で避難する住民の後ろについて、記者も山道でハンドルを握った。(山谷柾裕)

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 午前八時。林業が盛んだったおおい町名田庄地区に、防災無線が流れた。「自動車での避難が困難な人は、至急、公民館へ」。公民館「里山文化交流センター」で安定ヨウ素剤に見立てたあめやゼリーを受け取る。午前九時、バス三台、自家用車五台による避難訓練が始まった。

 避難先は、山道を五十五キロ、高速道路を約百五十キロ行く兵庫県伊丹市だった。かなりの道程にも思えるが、神戸市近郊のショッピングモールに行く場合など、このルートになじみがある住民は意外に多い。「舞鶴若狭自動車道に乗ると原発に近づいてしまう。下道が自然な選択だ」と五十代男性。自然災害による寸断がないことが前提になるが。

 曲線のかなりきつい山道を、快調に飛ばす。出発から二十分ほどで、早くも京都府に入った。放射量の測定(スクリーニング)をする美山長谷運動広場(京都府南丹市)近くにたどり着いたが、具体的な場所が分からないまま、脇道へ案内された。車列は狭い路地に迷い込んでいく。難渋して何度も切り返し、ようやくグラウンドに出た。

 広いスペースでのスクリーニングはさすがにスムーズだが、「案内が悪すぎる」と六十代男性がつぶやく。本当の事故なら混乱は必至で、スクリーニングをしないまま、そのまま京都方面に行く車が出るだろう。

 高速に乗ってからは混乱はなかったが、思った以上に時間はかかり、バスを乗り換える三木総合防災公園(兵庫県三木市)に到着したころには、皆ぐったり。避難所を想定する伊丹市立南小学校に着いたのは、午後二時だった。

 小学校体育館では、ビニールシートの床や、熱中症対策の扇風機など、実際の避難生活に即したものが用意されていて、ようやく一息つけた。六十代の男性は「地区の役職に就く者として参加したが、経験を皆に広めなければ」と語った。

 

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