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原発維持なの縮小なの 新エネルギー基本計画案

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困惑の立地自治体

あいまい針路

先行き見えず

 経済産業省の有識者会議が十六日に大筋で了承したエネルギー基本計画の改定案では、二〇五〇年に向けて原発を「現状では実用段階にある脱炭素化の選択肢」と位置付ける一方、「可能な限り依存度を低減する」とも書かれ、新増設は盛り込まれなかった。国のあいまいな針路に、原発に依存してきた立地自治体は先行きへの不安を隠せない。(中崎裕、米田怜央、山谷柾裕)

 「ベースロード電源と書いてある一方で、可能な限り依存度を低減させると。いったいどういう脈絡なのか」。委員を務める西川一誠知事はこの日の会合でそう疑問を呈し、「このままでは立地は非常に困る」と語った。座長を務めたコマツの坂根正弘相談役も「不都合な現実から目を背けたまま」と、新増設やリプレース(建て替え)の議論を先送りした経産省を強く批判した。

 二〇一一年の東京電力福島第一原発事故から七年が経過し、全国で五十四基あった原発は、老朽化などで廃炉が相次ぎ現時点で残るのは四十二基。すべて再稼働し六十年までの運転延長を認められても、五〇年に残るのは十八基で、県内では関西電力大飯3、4号機の二基だけになる。

 計画改定に向け、原発の立地自治体は新増設の方針を明確化するよう求めてきた。全国原子力発電所所在地協議会(全原協)は十四日、「新増設やリプレースについての具体的な方針を示すこと」と要望。会長の渕上隆信敦賀市長は十六日、「方針が明確に示されなかったことは遺憾。新増設、リプレースなしに(二〇三〇年の)原子力比率20〜22%を達成できるのかも疑問だ」と反発した。

 関電美浜原発4号機(美浜町)や日本原子力発電敦賀原発3、4号機(敦賀市)の計画は、福島事故で頓挫したまま。敦賀市は新たな産業も模索しているが、市議からは「原子力をやめるつもりなのか、玉虫色で無責任だ」との批判や「市民の力をどこに向ければいいのかわからない」と困惑する声が漏れる。

 明確化を求める意見書を出した高浜町議会の山本富夫原子力対策特別委員長は「廃炉作業には終わりがある。それまでにこの過疎地域で産業が育つのか」と先行きを懸念した。

 

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