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もんじゅ廃炉 滞る手続き 地元政府、協議会日程棚上げ

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 突然の解散による衆院選が、高速増殖原型炉「もんじゅ」(敦賀市)の廃炉に向けた手続きに影響を与えている。燃料取り出しなど廃炉作業を始めるには、具体的な手順を盛り込んだ廃炉計画を原子力規制委員会に申請し、認可を受ける必要があるが、地元の県や市は政府が地域振興策などを示さなければ申請を認めない姿勢。衆院選で関係閣僚と知事による協議会の日程調整が棚上げされ、手続きは滞ったままだ。(中崎裕、山本洋児、米田怜央)

 政府側は十月前半にも回答の場となる協議会を開きたい考えだったが、地元関係者は「突然の選挙で止まった。組閣もあるので、日程に関しては協議できていない」と明かす。

 昨年末に政府が廃炉を決めたもんじゅに関し、日本原子力研究開発機構は六月から五年半以内に燃料を取り出す計画。当初は八月中に作業に取り掛かるための認可申請を目指していたが、地元は政府に対し、機構を監督する仕組みの具体化と天然ガスのインフラ整備など廃炉に伴う地域振興策を要求。機構の申請は、政府から納得のいく回答を示してもらうのが前提との立場だ。機構の申請が遅れれば、それだけ作業期間が短くなり、ミスなどを誘発しかねない。もんじゅはプルトニウムを含む核燃料を取り出すまでの間、水や空気と触れただけで燃える冷却材のナトリウムを循環させ続ける必要がある。リスクを下げるため、できるだけ早く作業に取り掛からせたいのが規制委の考えだ。

 十日にあった規制委もんじゅ廃炉監視チームの会合で、規制委側から機構に「もんじゅは新規制基準に適合していない。リスク低減のための廃炉計画申請の重要性が地元に理解されているのか」との苦言が相次いだ。田中知委員は「五年半の工程に入ってから約四カ月が経過しても申請されていない。五年半で完了しないということがないように」とくぎを刺した。

 燃料取り出しを優先させたい規制委と、トラブル続きの機構や国への不信感から「具体化が先」とする地元。両者の間に割って入った衆院選で、もんじゅの安全確保が宙に浮いている。

 

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