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寺崎実力を証明 愛媛国体男子ケイリン

ドーピング問題から復帰

医師、弁護士もねぎらう

 松山市の松山中央公園多目的競技場で四日に行われた愛媛国体自転車競技で、ドーピング問題に揺れた成年男子ケイリンの寺崎浩平(県体協)が見事、優勝を飾った。「よく頑張った」。勝利をねぎらったのは早期復帰を支えた弁護士と医師。「迷惑を掛けた。今は感謝の気持ちしかない」。寺崎の顔に浮かんだのは安堵(あんど)の表情だった。(藤共生)

自転車成年男子ケイリン決勝のラストスパートで踏み込む寺崎浩平=いずれも4日、松山市の松山中央公園多目的競技場で

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 昨年末、日本アンチドーピング機構が、昨年の岩手国体に出場した際に寺崎の尿から禁止物質の反応が出たと発表した。資格停止処分の期間は四年間。当初、寺崎は夜も寝られず、頭には引退の二文字もよぎったという。

 寺崎は、決定の全部取り消し等を求めて日本スポーツ仲裁機構に申し立てを行った。協力したのは、県スポーツ医科学委員長の林正岳さんと、その依頼を受けた日本スポーツ法学会元会長の望月浩一郎弁護士。週に一度、インターネットを通じて相談しながら闘った。

 仲裁手続きの中では、意図的な使用ではないことを立証。仲裁機構は今年八月に停止期間を四カ月に短縮する裁定を下した。この間、十カ月。県自転車連盟との接触は禁止され、メール連絡も取れなかった。練習相手はいない。一人自宅でローラーをこいだ。「孤独だった。何度もくじけそうになった」(寺崎)。復帰の希望を信じて、ひた向きに練習を重ねた。

寺崎浩平(中)の優勝を喜ぶ林正岳さん(右)と望月浩一郎さん(左)

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 復帰が決まった八月からは二カ月しかなかった。サプリはきっぱりとやめた。アマチュアの自転車選手にとって、安上がりな栄養補給になるサプリは必需品。しかし、これと決別して勝利を目指した。

 この日の成年男子ケイリン決勝。外側の位置から冷静に展開を読んだ寺崎は、最終コーナーを回って一気に前へ。最後のスプリントは誰にも負けなかった。1着でフィニッシュ。何度も拳を突き上げ、喜んだ。

 レースを見守った望月弁護士は「今回の問題は不運というしかない。ここまで本当に大変だったと思う」とわが事のように喜び、林さんは「サプリをのまずに勝利して、自らの潔白と実力を証明してくれた」と復活優勝に涙を流した。

 

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