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福井発

軟弱地盤の可能性指摘 あわらのトンネル崩落

専門家が現地調査

崩落事故があった柿原トンネル工事現場を調査する関係者=23日午後、あわら市柿原で(蓮覚寺宏絵撮影)

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 北陸新幹線柿原トンネル(あわら市柿原)の崩落事故で、鉄道建設・運輸施設整備支援機構(鉄道・運輸機構)は二十三日、トンネル工学の専門家らによる現地調査と原因究明に向けた検討会を開いた。崩落した真上の柿原グラウンドが造成地だった点に関心が集まり、軟弱地盤の可能性や影響を指摘する声が複数出た。これを受け、機構ではボーリング調査や造成前の地形図のデータ分析を急ぐ考え。次回会合は十月中旬に開く。 (北原愛)

 機構がトンネルの設計・施工の助言を得るために設置している「北陸新幹線、金沢・敦賀間トンネル施工技術委員会」(委員長・朝倉俊弘京都大名誉教授)の委員十四人が参加し、トンネル内の吹き付けコンクリートや鋼材、応急措置の状態を確認。柿原グラウンドにも足を運び、陥没場所とトンネルの位置関係や周囲の地形を観察した。

 視察後、近くの「さくらセンター」で検討会を開催。鉄道・運輸機構大阪支社の蓼沼慶正支社長が「人的被害はなかったが、ご迷惑やご心配をお掛けした」と謝罪した。

 意見交換は非公開で、終了後に朝倉委員長と蓼沼支社長らが説明。朝倉委員長は「まだ考え得る原因の洗い出しと、それに伴う追加調査の依頼の段階」と強調した上で、柿原グラウンドが丘の上部を切り、端部分は盛り土して造られたことが委員の関心を集めたと言及。陥没箇所について「周囲より低く沢部にも近い。地質が弱い可能性がある」との見解を示した。

 蓼沼支社長は「造成地であることは把握し、国土地理院の地形図は見ている。ただし、盛り土や切り土のラインを正確に把握してはいない」と答え、造成時の別の地形図やグラウンド内で現在実施中のボーリング調査で、実態を把握する意向を示した。

福井方面工事「早期再開を」

技術委員会が提案

 柿原トンネルが崩落した金沢方面とは作業用坑道を挟んで反対の福井方面でも掘削作業が止まっていることに関し、「北陸新幹線、金沢・敦賀間トンネル施工技術委員会」は二十三日、「早期の工事再開が望ましい」と提案。機構では地元の柿原区や市、県などと来週にも協議をスタートさせる方針だ。

 全長二千五百三十メートルのうち、作業用坑道を起点に金沢方面が八百三十メートル、福井方面は千七百メートルで、双方とも百メートルほど掘削が進んでいる。朝倉俊弘委員長は「(トンネル)上部の掘削で止まっている部分があり、強度を発揮するためにも早期にリング状に完成させるべきだ」と指摘。機構によると、必要とされた地盤改良は終えている。

 金沢方面の工事再開に向けては、グラウンド陥没付近の地盤改良を提案。周辺と同じくセメント材を土壌に混ぜる方法で、機構は改良範囲は原因究明の中で検討したいとした。 (北原愛)

 

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