発信!「昇龍道」の魅力 | 考えよう!外国人観光客がもたらす地域活性化
第3回 地域活性化リレーシンポ in 石川

「外国人観光客を増やすおもてなしの心とは?」
〜アジア広域からの誘客を促進するために〜

パネラー

コーディネーター

司会


金築 明央
(かなつき なお)氏
(加賀屋営業部)
中国遼寧省出身。2008年石川県北陸大学卒業後、和倉温泉加賀屋に入社。2009年東京(株)JTBエイティーシー(現(株)JTBグローバル マーケティング&トラベル)に出向。2年前に日本人に帰化。

高 禎蓮
(こう ていれん)氏
(日台交流会社
「朱澤」代表)

台湾(中華民國)台北市生まれ。1998年石川県金城短期大学卒業。2009〜10年に石川県国際化推進委員会委員。2010年輪島の観光推進を目的に朱澤(Aka-sawa)設立。2013年昇龍道100選選定委員。

谷 スマニー
(たに すまにー)氏
(日タイ交流会社
「スマニー企画」代表)

タイ王国バンコク市出身。京都工芸繊維大学大学院修士課程修了後、タイへ帰国。タイの商社に勤務。1996年より愛知県一宮市在住。2000年にスマニー企画設立。タイ語講師、通訳、翻訳などの事業を行う。

朴 哲範
(ぱく ちょるぼむ)氏
(韓国観光公社
名古屋支社長)

韓国釜山広域市出身。韓国東亜大学校卒、九州大学大学院比較社会文学部修了。1992年韓国観光公社入社。1998年福岡支社課長、2005年福岡支社次長に就任。2012年7月より現職。

鈴木 孝昌 (中日新聞経済部長)

小野木 梨衣氏 (石川テレビ放送
アナウンサー)

台湾で人気の日本観光   多くの経験を望む韓国人

鈴木  昇龍道の発展にとって、必要なこと。さらには外国人観光客が求めるもとについて、お話をうかがいます。まずは、皆さんの活動内容をお聞かせください。

 韓国観光公社は韓国の国営企業であり、日本の観光庁の役割を果たしています。海外から韓国への観光客誘致が基本的な仕事であり、そのために海外を訪れてその国の人々との交流を促進するなど、ツーウエイ交流を行なっています。

金築  和倉温泉の旅館「加賀屋」の営業部に所属しています。約10年前に来日。東京の大手旅行会社に出向した経験などを生かし、外国の方に日本文化を理解していただけるよう日々、努力しています。

 18年前に観光の勉強をするため、来日しました。輪島に嫁いだ縁で、現在は輪島の観光発信や輪島塗についての理解促進に関する活動を行っています。

 タイの大学を卒業後、日本の京都工芸繊維大学で修士課程を学びました。その後一旦はタイに帰国しましたが、日本の方と結婚したことを機に17年前から愛知県一宮市に在住。タイに関する講演や通訳、翻訳などに携わっています。

鈴木  各国の観光客の特質は。

 台湾からの海外渡航先として日本は3位にランクイン。2カ月前のデータでは2位に浮上するなど、台湾人にとって日本は人気の高い国です。年齢別では経済力があり、時間的な余裕のある30〜40歳代が多い。フリースタイルが主体のこの層に比べ、40〜60歳代では安心して旅行できる団体旅行が中心となっています。

金築  中国からの旅行客は、大きく2つに分けられます。1つは富裕層。この層は、直前に旅程を変更するなど、思い通りの旅を望むので、旅行業者としては柔軟な対応が求められます。一方で、できるだけコストを下げた安いツアーへの需要があります。

 海外旅行をするタイ人の数は年々増加しています。中でも日本は2013年、15日を超えない短期滞在であれば、ビザの取得が不要になったこともあり、渡航先としてさらなる増加が期待されます。

 観光の醍醐味は、外国人であっても国内旅行客であっても、地域の人と外部の人が交流することにあります。訪れる人は、自分の地域では普段経験できない、新しい経験をしたいと思って訪れる。また韓国人の特徴としては、一カ所に長く滞在するのではなく、短い期間でたくさんの経験をしたいと望む傾向が強い。そういった観点で昇龍道を見ると、例えば韓国で一番高い山は、済州島にあるハルラサンでおよそ1950メートルですから、2612メートルの地点に駅がある中央アルプスの駒ケ岳ロープウエイを訪れれば、この場所に立った時点で韓国人にとっては未知の経験をしているという満足感を得られるわけです。また高山市は、京都とは違う日本らしさがある。面積が広くない分、歩きながら半日もしくは1日で古き良き日本の姿や日本文化、食を経験できるという利点もあります。いずれの点においても昇龍道地域は、韓国人にとって非常に満足できる環境だと思います。

外国人観光客について議論を交わすパネリストたち
外国人観光客について議論を交わすパネリストたち

鈴木  海外の方が、日本での旅行に望むことは。

 現在、台湾ヤフーの旅行のトップページを見ると、一番上に登場するのは東京ではなく、北陸です。これは台湾人の場合、日本への旅行が2回目、3回目という人が多く、東京へはすでに行ったことがあるため、東京など主要な地域以外の旅先を探しているという状況を表しています。その際、インターネットの口コミや検索キーワード、旅行会社の紹介ページなどを参考に、自分たち好みのテーマに合わせたプランニングをする人が増えています。山や海など自然を体験したい、新鮮な海鮮を食べたい、伝統工芸に触れたいなど。自転車に乗って能登を一周したいという人もいました。そういう面では、さまざま観光地や文化を有する昇龍道は、台湾から訪れるリピーターにとって最適なエリアです。

金築  中国では今、温泉がブームです。スタイルは日本に近いですが、水着を来て入るなど、実情はまったく異なります。そのため日本の温泉を訪れる際、水着を持って来られる方もいます。それはマナーが悪いのではなく、知識がないだけ。事前に教えるなど、文化の違いを伝えることが必要です。

 タイは気温が高いので、お風呂に入る習慣がありません。特に女性は、日本の温泉で見知らぬ人と、裸で一緒に入ることに抵抗があります。個別に入れる貸し切り温泉のサービスなどが充実すると、タイの人も温泉を楽しみやすくなると思います。また、食事に関しても文化の違いがあります。タイの人は従来、温かいものしか食べないのですが、最近の和食ブームで刺身やざるそばを食べる人が増え、わさびが人気です。

 旅の中で大切な要素といえば、食べ物ですね。韓国と日本の食文化は、塩や醤油、味噌をベースに味付けをしているので、非常によく似ています。ただ日本とは違い、器を持たずにスプーンや箸で口に運ぶのが韓国式。日本の旅館などでもスプーンを添えてあると、韓国人はその心配りに感謝するはずです。

 少しの配慮という意味では、うどん屋やラーメン店などのテーブルに、自分好みに味を調整できる調味料が置いてあると、タイ人は喜ぶと思います。タイではナンプラーや砂糖、酢、唐辛子などが卓上にあり、自由に味付けをして食べるのが一般的。タイ人の中には、日本の麺類がどこも似たような味に感じられて飽きてしまうという人もいるので、調味料が充実していると、もっと日本の味を気軽に楽しめるのではないでしょうか。それからタイでは、1日4〜5回食事をとるので、日本のお店で出てくる1食分の量が非常に多く感じられてしまう。ミニうどんなど、小さいサイズのメニューがあるといいですね。

金築  食事の面でお話をしますと、加賀屋では、まずアレルギーや食べられない食材がないかを事前にうかがうようにしています。それ以外は、基本的にすべての方に和食を提供しています。例えば「ステーキが食べたい」という方も中にはいらっしゃいますが、「仮に対応したとしても、街にある3つ星レストランにはかないませんので、ぜひ一度、和食をそのまま食べてください」と薦めるようにしています。せっかく海外に来たのですから、旅館などでは特に、日本の味を楽しんでいただくのも良いと思います。

地域のニュース
愛知
岐阜
三重
静岡
長野
福井
滋賀
石川
富山

Search | 検索