発信!「昇龍道」の魅力 | 考えよう!外国人観光客がもたらす地域活性化
第3回 地域活性化リレーシンポ in 石川

 中部北陸9県(愛知、岐阜、三重、静岡、長野、石川、福井、富山、滋賀)が官民一体となって外国人観光客を誘致する「昇龍道プロジェクト」のシンポジウムが、去る7月29日、石川県金沢市で開催された。本年1月に名古屋市で行なわれたキックオフシンポジウム、2回目の開催となった3月の三重県津市開催に続き、今回が3回目。2014年度末の北陸新幹線開業に期待が高まる北陸での初開催として、活発な議論が交わされた。

主催者挨拶
中日新聞社取締役 北陸本社代表 武田 安弘

昇龍道の発展が日本とアジアの友好を育む

2014年度末に北陸新幹線が開業するにあたり、首都圏の観光客をいかにこの北陸エリアへ誘致するかが大きな課題となっています。特に東京を訪れる外国人観光客は、中部圏を素通りして京都や大阪へ行かれる方が非常に多い。

中部圏には素晴らしい観光地、魅力的な場所がたくさんあります。昇龍道の各観光地、自治体が従来持っている魅力を磨き上げ、同時に昇龍道エリア全体としてどのように発展を遂げていくか。そのためには、広域連携の強化も課題の一つではないでしょうか。

龍というのは、天に勢いよく昇り、雲になり、その雲が大地に雨を降らせて人々に恵みをもたらすという伝説を持つ架空の動物です。この昇龍道プロジェクトが発展し、多くの外国人の方がこのエリアを訪れ、各地に経済の潤いをもたらす。さらには真心を持った日本人のおもてなしに触れ「日本に来て良かった」という思いを抱いて帰国していただくことで、日本とアジアのさらなる友好に貢献する。そういった恵みを、この昇龍道はもたらしてくれるのではないかと考えています。

首都圏と中部エリアで新聞を発行している弊社としても、微力ではございますがそのような地域発展のお手伝いができればと思い、シンポジウムを開催いたしました。このシンポジウムが実りあるものになるよう期待しています。

挨拶
金沢市副市長 濱田 厚史氏

北陸新幹線開通でエリア全体を楽しんで

北陸新幹線の開業まで、1年8カ月を切りました。この金沢を訪れる、首都圏のみならず国内外の方々を快くお迎えし、満足していただくために、金沢の町の魅力をより一層磨き上げていきたいと考えています。

また、北陸新幹線開通で短縮される時間を有効に利用し、さらにはこの昇龍道地域の発達した高速交通網を活用することで、エリア全体を楽しんでいただきたい。そのための広域観光の推進が極めて重要です。金沢市としても、この昇龍道プロジェクトの重要な拠点の一つとして、役割を果たしていきたいと考えています。

主催/
北陸中日新聞、中日新聞
後援/
北陸信越運輸局、中部運輸局、北陸経済連合会、中部経済連合会、昇龍道プロジェクト推進協議会、名古屋鉄道、ANA、中部国際空港、JTB中部
協力/
日本観光振興協会中部支部、中部広域観光推進協議会
特別協力/
石川テレビ放送

基調講演1: 北陸新幹線が拓く昇龍道の新たな展開

時間短縮で周遊効果アップ   選ばれる地域の魅力づくりを


和迩 健二(わに けんじ)氏

北陸信越運輸局長


京都府出身。運輸省、外務省などを経て2007年国土交通省自動車交通局に。2012年8月より現職。

日本のインバウンドの現状を見ますと、出国者数では世界11位、アジアで2位と非常に多い。しかし、入国者数では世界で39位、アジアで9位という数字にとどまっています。この状況を打開するために、10年前にビジット・ジャパン事業を開始、2008年には観光庁を設置しました。また、今年6月にとりまとめた観光立国実現に向けたアクション・プログラムも、一つの大きな柱になっています。具体的な目標値として2013年度は、外国から迎える観光客1千万人を目指し、将来的には3千万人達成を目標として掲げています。

6月にまとめたアクション・プログラムにつきましては、大きく4つの重点分野があります。一つは日本ブランドの作り上げと発信。日本は自然、食、文化、伝統など多様な財産を有します。これを民間目線あるいは海外からの視点に立って磨き上げていく、デザインすることで日本ブランドを確立していこうという点。もう一つはビザ要件の緩和です。これに関しましては、非常に大きな効果が期待されます。具体的には7月から、東南アジアの方に対するビザ要件の緩和を実施。タイ、マレーシア、ベトナム、フィリピンなどは、韓国政府の訪韓旅行者に対する査証要件と、ようやく同等の要件になりました。さらには受け入れ環境の整備。外国人観光客の方がわかりやすいように案内や標識などを整備します。また国際会議など、いわゆるMICEの誘致により交流を拡大していく。これには東京オリンピック招致なども含まれます。

訪日外国人旅行者の数はビジット・ジャパン事業開始以来、順調に推移しており、鳥インフルエンザや東日本大震災など、さまざまな影響がありましたが、2010年には過去最高の861万人を記録。今年に入ってからも好調を維持し、6月現在で前年同期比22.8%増、このまま推移すればもう少しで目標とする年間1千万人に手が届く勢いです。

訪日外国人を国、地域別に見ますと全体の約4分の3はアジア各国からの観光客。残念ながら外交問題などにより、中国からの訪日数は減少しておりますが、台湾、ベトナムなどの伸び率が高く、インドネシアやイスラム圏からの増加にも期待が寄せられています。中でも昇龍道エリアの状況に焦点を絞りますと、2012年の宿泊者数がエリア全体でおよそ270万人泊。760万人泊を超す東京や、約300万人泊の大阪と比べると極めて少ない。

北陸新幹線開通がもたらす効果について語る和迩氏
北陸新幹線開通がもたらす効果について語る和迩氏

しかし逆に考えれば、まだまだ伸びしろがある、余地があるということでもあります。昇龍道というのは、「道」つまりルートという意味合いにとどまらず、北海道の「道」のように広い地域としての集合体というイメージを含んでいます。昇龍道プロジェクトの大きな特徴は、官民が協力して進めていくということです。さまざまな機関、団体が連携しながら、この地域にある魅力をどう結び付けて知名度を上げ、ネットワークを構築していくかが非常に大事でしょう。

その推進のために、昨年の3月には第1回協議会を開催。中部運輸局、われわれ北陸信越運輸局に加え、各自治体の方々、経済団体、観光関係など総計428団体が参加、まさに官民一体で推し進めています。また事務局を中部広域観光推進協議会、中部運輸局、北陸信越運輸局が務め、市場への戦略的なアプローチを行うべく、中国部会、台湾部会、東南アジア部会を設置。現在、市場別、国別で海外に対するさまざまなプロモーションを行なっています。さらに国内での取り組みとしては、「昇龍道 春夏秋冬 百選」という冊子を発刊。日本語版、中国語版(簡体字、繁体字)、英語版を作製し、テーマ別に昇龍道の魅力を紹介しています。

このような活動を推進すると同時に、地域ごとの魅力を磨いていただくことがこのプロジェクトの発展につながると考えています。

2014年度末に北陸新幹線が開通することで、日本の距離感が劇的に変化するでしょう。東京から金沢まで、現在は越後湯沢経由で約3時間47分。これが約2時間半に短縮されます。 長野、金沢間では約3時間32分かかっている所が約1時間に短縮される。移動時間が短縮されることは、週末を利用した旅行も可能になりますし、短縮した時間で域内を周遊する機会も多くなるはずです。北陸新幹線の延伸は、首都圏を訪れる外国人を昇龍道地域に誘客し、「ゆっくり滞在」、「もう一カ所行く」という周遊効果を生む絶好のチャンス。さらには「もう一度行ってみたい」というリピーターを増やさなければならない。その実現のためには、魅力ある地域づくりが大切です。昇龍道の特性、知名度、認知度を生かし、地域や業界が連携して選ばれる地域となるべく「住んでよし、訪れてよし」の地域づくりを一緒に進めていきましょう。

発信!「昇龍道」の魅力 トップに戻る
地域のニュース
愛知
岐阜
三重
静岡
長野
福井
滋賀
石川
富山

Search | 検索