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2017年 NIE全国大会名古屋大会 記念特集

 中日新聞社では、学習指導要領にも盛り込まれているこれからの新しい学び・社会に対応するために必要とされる「新聞の力」をお伝えするため、家庭学習で新聞を活用する『NIE親子応援隊』の結成、愛知県の3つの高校の新聞部がオリジナル新聞製作に挑戦する『高校生新聞』の取り組みを進めてきました。チャレンジNIEの応援サポーターをつとめる春香クリスティーンさんには、それぞれの活動のレポートとともに、自身が感じる「新聞の力」を語っていただきました。


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<「第22回 NIE全国大会名古屋大会」の詳細はこちら>

<新聞×教育プロジェクト「10分の時間割」の動画はこちら>

チャレンジNIE 親子応援隊・高校生新聞応援サポーター春香クリスティーンさん

NIE親子応援隊サポーター 春香クリスティーンさん
「新聞って難しい」から「新聞って楽しい」に
 初めて新聞にふれたのは中学生の頃。日本人の父とスイス人の母をもつ私は、お父さんが読んでいた漢字だらけの新聞を横で見ながら、「何て読むの」「どういう意味」と質問していました。最初は“新聞って難しい”と思っていましたが、言葉の意味が少しずつ分かってくると、読むことが楽しくなっていったことを覚えています。

 今は仕事の移動中などに新聞を読むことが多いですね。テレビやインターネットでもニュースを見ますが、その日は取り上げられても、次の日に話題が変わっていることも。その点、新聞は一つひとつの情報が深いですし、同じニュースを日を追って読めるので、動きが見えて理解が深まります。また、その日の社会の動きをサッとつかむなら新聞が一番。見出しを追っていけば、どのニュースが重要なのかもしっかりと分かります。

家族の対話や部活動でも新聞は生きた教材
 今回、5組の親子が『NIE親子応援隊』として、親子の対話を深め、学ぶ力を育む教材として家庭学習に新聞を取り入れました。また、地元の高校生たちがオリジナルの新聞製作に挑戦する『高校生新聞』も興味深い試みです。思春期のお子様をもつ家庭で、親子のコミュニケーションが深まっている様子には、正直驚かされました。きっと、新聞の記事についての感想に「正解」がないから、年齢や経験を問わず意見を言い合えるのでしょうね。真実を前に、人々を対等な関係にする新聞の力を、あらためて感じることができました。

 高校生の皆さんも、自分たちでテーマを決めて取材をし、人に伝えるためにはどうしたらいいか、試行錯誤を重ねてようやく紙面が完成しました。高校生ならではの視点に、私たちも学ぶことが多いですし、彼らも「作り手」になったことで新聞の持つ底力を実感したはずです。

 情報が飛び交う時代だからこそ、“これを知っておくべき”がまとまった新聞は欠かせません。きめ細かな取材に裏付けられた「記事の信頼性」も新聞の宝です。ぜひ皆さんの家庭学習にも新聞を取り入れてほしいと思います。

春香クリスティーンさん
新聞で社会に出るトレーニングを
 今年は仕事で、フランス大統領選の取材をさせていただきました。そこで感じたのは、現地でさまざまな声を聞き、自分自身がその空気を感じることで、ようやく記事が書けるということ。新聞もそのように作られているんだと、あらためて感心しました。今はどんなことでも自分で調べられますよね。すべてを知ったような気になっていても、実は分かっていない、見えていないこともあると思うんです。そのようなときに新聞を見ると、どのように報道されているのか、どんな論調で伝えているのかが分かって、頭を整理することができます。

 地方で仕事をするときは、その土地の新聞を読むこともあります。全国紙では取り上げられない、地元ならではの話題。選挙やお祭りなどいろいろありますが、実は地元ではその話題が、一面のトップニュースに負けないくらい重要なときもあります。大きな事件だけでなく、地域の情報をつぶさに拾うのも新聞の力だと感じます。

 学習指導要領が変わるそうですね。私はスイスと日本で教育を受けましたが、日本は暗記型の学習が多かった印象があります。例えばスイスでは、歴史の授業で年号を覚えるより、起こった理由や流れを考えなさいと言われました。また生徒が積極的に授業に参加するグループワークという方式を取り入れています。一概にどちらが良いとは言えませんが、グローバル化を受けて、日本の授業も変わっていくのでしょうか。

 新聞を読むことが社会に出るためのトレーニングにもなりそうですね。ある記事を題材に、自分が何を思って、それをどう伝えるか考えることは、日常生活にも応用できるはずですから。新聞には政治や経済、地域のニュースなど色々な話題が豊富に詰まっているので、小学生の頃から新聞を読み続ければ、私のように国際政治に興味を持つなど、何かのきっかけになるかもしれません。考えるだけでワクワクします。

プロフィール
1992年生まれ。タレント。日本人の父親とスイス人の母親をもち、ドイツ語、日本語、フランス語、英語を話すことができる。政治への関心が強く、若者に向け政治や選挙を分かりやすく説明する著書も執筆。

NIEとは?

 NIE(Newspaper in Education=「エヌ・アイ・イー」)は、学校などで新聞を教材として活用することです。1930年代にアメリカで始まり、日本では85年、静岡で開かれた新聞大会で提唱されました。その後、教育界と新聞界が協力し、社会性豊かな青少年の育成や活字文化と民主主義社会の発展などを目的に掲げて、全国で展開しています。

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新聞活用学習

 文部科学省では現在、学習指導要領の改訂を進めています。今回の改訂ではどのように「生きる力」を育むのかを重要視し、子どもたちが能動的に学び続けることを目指しています。長年にわたり新聞を使った学習指導に取り組む市川講師に、新聞を活用した学習が、いかに学習指導要領の目指す学びに合致するかを教えていただきました。

市川正孝氏新学習指導要領を見据え

市川正孝氏

社会に開かれた教育課程目指す

 次期学習指導要領の改訂案が公示されていますが、理念の一つに「社会に開かれた教育課程」の実現があります。要約すると、「広い視野を持ち、ものごとを客観的に判断する力を養い、自分の言葉で自らの考えを述べる力をつけること」。

 新聞の役割は、権力の監視や戦争の実情など世界の出来事を知らせること、人権を守る大切さを知らせることなどが挙げられます。新聞はその役割を果たすことでよりよい社会をつくろうとしています。その点は、次期学習指導要領の理念の要点と共通していると言えるでしょう。

 また、次期学習指導要領では「主体的・対話的で深い学び」を重要視しています。新聞を読むと、難しくてすぐには答えが出ないこともあるかもしれません。しかし、そこで持った疑問は、違う日に新聞を読んだとき、気づきや変化につながっていくことでしょう。さまざまな社会問題でもそうですが、知らないから無関心になってしまいます。まず新聞を読むことで、分からないことに気づきます。そして関心を持ち続けていれば、違う機会に関連の記事を読んだときに、きっと理解することができるでしょう。新聞を読むということは、そのような息の長い主体的な学び方の習得にもつながります。NIE親子応援隊でも、新聞を読むことを習慣化した子どもたちが、徐々に自主的に学びを進める様子がうかがえました。

自分の言葉で考え行動する力を

 次期学習指導要領では「言語能力の確実な育成」も目指しています。新聞の記事は文語をはじめ口語、抽象語、漢字の熟語など多様な言葉を使って表現されているので語彙(ごい)力が増え、言語能力が鍛えられるのはもちろん、数字が盛り込まれた記事も多く、数字に対する感覚(=数字力)も身につきます。新聞を読んで言語能力や数字力が養われることで、問題意識を持ち、決まった答えのない問題について考え、解決に導こうとする行動が生まれます。つまり、社会に出てから特に必要とされる「地頭力(じあたまりょく)」が鍛えられるということです。子どもたちにとって新聞を読むということは学校での学びに役立つだけでなく、生涯にわたる持続的な知力を備える事につながるのです。

作り手となり「新聞の力」に気づく

 新聞を家庭学習に取り入れる方法はいくつかありますが、新聞にある程度興味がわいてきたら、自分で作ってみるのもよいでしょう。以下では高校生が新聞製作に取り組む様子を紹介していますが、記事を推敲(すいこう)して字数を削減していくなかで文章が良くなるといった学習効果がありますし、作り手になるとあらためて新聞の力に気づくことができます。

 このように新聞は、これからの学びにマッチしたメディアであり、決して難しいものではありません。まずは気軽に手に取って、親子でパラパラと開くことから新聞と関わってみてください。

教えてくれる人 愛知教育大学社会科教育講座講師 市川正孝氏
NIE親子応援隊の講義を担当した市川講師は、日本NIE学会に所属、30年にわたる新聞教育の推進で2012年には第44回中日教育賞も受賞しています。

新学習指導要領のポイント

①社会に開かれた教育課程
「よりよい学校教育を通じてよりよい社会を創る」という目標を学校と社会が共有し、連携・協働しながら、新しい時代に求められる資質・能力を育む。

②主体的、対話的で深い学び
学ぶ意味と自分の人生や社会の在り方を主体的に結びつけ、多様な人との対話などを通じて考えを広げ、習得した知識や考え方を活用し、生涯にわたり学び続けられるようにする。

③言語能力の確実な育成
発達の段階に応じた語彙(ごい)の確実な習得、意見と根拠、具体と抽象を押さえて考えるなど、情報を正確に理解し適切に表現する力を育成する。

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結果報告オリジナルの新聞製作に挑戦 高校生新聞

 『高校生新聞』は、愛知県下の3つの高校の生徒たちが取材、編集した新聞を、中日新聞の紙面(8月3日付 夕刊)に掲載したプロジェクトです。高校生がどのような視点で、新聞製作に取り組んだのか、彼らの感想とともに紹介します。

新聞の力を感じながら高校生が思いを発信

 若者の活字離れの影響もあり、全国の高校で新聞部の数は減少傾向にあります。愛知県でも数校のみという状況ですが、それぞれ意欲的に新聞製作に取り組んでいます。

 今回の『高校生新聞』には、一宮西高校、桜花学園高校、半田高校の新聞部が参加。高校生たちが今感じている疑問や、思い描く未来像を、オリジナルの新聞製作を通して発信してもらう取り組みです。事前に中日新聞の記者から新聞製作のノウハウやジャーナリズムについて学んだ彼らは、新聞の力をあらためて感じた様子。その後、テーマ設定から、取材、原稿執筆、レイアウトまで自分たちの手で行いました。

「高校生新聞」企画
中日新聞 編集局整理部にて組版作業を体験(新聞完成時の様子)

一宮西高校

一宮西高校

商店街活性化に向けアイデアいろいろ

地元の本町商店街にもう一度活気を取り戻すためにはどうしたらいいか─2年生5名、1年生6名が手分けし、週末の商店街で街頭インタビューを実施。また商店街会長からは、店舗再利用の障壁や、誘客に向けての取り組みを聞くことができました。さらに高校生の視点から活性化の提案も加え、新聞が完成しました。

一宮西高校の「高校生新聞」はこちら

一宮西高校
2年 野口蒼太くん
情報は待っていても得ることはできないので、普段からもっと積極的に人の話を聞くなど、行動したいと思うようになりました。

1年 大森康平くん
インタビューは断られることもあって本当に大変。取材する人、紙面を作る人など、人と人が連携して作られていることをあらためて感じました。

1年 宮アあずみさん
今回は記事を書くことに精一杯だったけど、もっと読む人のことを考えて、自分も読みたくなるものを書きたいという気持ちになりました。

桜花学園高校

桜花学園高校

地元の長所 私たちが積極的に発信

3年生の部員7名で作った新聞のテーマは「名古屋の魅力」。校内アンケートで名古屋のイメージを洗い出した後、名古屋城総合事務所と、名古屋市ナゴヤ魅力向上室を取材しました。気づかなかった地元の長所を知り、自らも発信していく必要性を感じたようです。

桜花学園高校の「高校生新聞」はこちら

桜花学園高校
3年 飯田敬子さん
長い記事を書き終えて達成感があります。新聞はインターネットと違って紙なので、相手に届いたことを実感しやすく、気持ちも全然違います。

3年 池田彩乃さん
実際に取材をし、正確な情報を自分たちで伝えられてやりがいを感じました。これからは関心のなかった記事も読んでみようと思っています。

3年 伊藤瑞姫さん
人と話すことが苦手でしたが、多くの人と対面する経験を通して、成長できました。新聞を完成させたことで自信にもつながったと思います。

半田高校

半田高校

発見 知多半島の秘めたる可能性

2年生3名で取り組んだ半田高校。「セントレアと中部の魅力発信」をテーマに掲げ、中部国際空港や、就航準備を進める「エアアジア・ジャパン」、空港に出店する「えびせんべいの里」にもインタビュー。地域と空港の関わりや地域発展の可能性を知ることができました。

半田高校の「高校生新聞」はこちら

半田高校
2年 竹田優くん
記事を書いてみて、自分の考えや情報を整理して活字にすることの難しさに気づきました。これから文章を書く際にいかしていきたいです。

2年 津田大悟くん
間違ったことを伝えてはいけない、と責任感が芽生えました。良い記事を書くために、常に世間の動きに意識を向けていきたいと思います。

2年 山ア拓海くん
取材は大変でしたが、記事を書いてからも、誤字や情報の間違いなどを確認したり、完成するまでたくさんの苦労があることを知りました。

高文連新聞専門部 中根常任理事に聞く問題意識を持つ習慣が考える力を育てる

全国高文連新聞専門部 常任理事(神奈川県立大楠高校教諭) 中根淳一氏

全国高文連新聞専門部 常任理事(神奈川県立大楠高校教諭) 中根淳一氏

 高校生による新聞づくりは、学校に関わるさまざまな立場の人々がニュースを発信する“スクールジャーナリズム”の一つの形です。学校による広報とは別に、読者となる生徒の視点で出来事を知らせる活動の存在は、学校を活性化させます。校内の出来事を取り上げるケースが多いですが“地域や社会の中にある学校”を語るとき、学校の外に目を向けることは自然なことです。校内取材や校内アンケートだけでは捉えきれないような事象について、校外で多角的な取材を行うことは有効です。

 新聞製作を通して、文章力、読解力といった国語の力は身につくでしょう。これまでの事例では、客観的な物事の見方を学習し、社会性が向上する効果もありました。さらに問題意識を持つ習慣により、考える力も大きく育ちます。

 『高校生新聞』の三校の取り組みを見ましたが、意欲的に取材を行っていますね。魅力をアピールする力や、問題点に対し提案をするなどオピニオンリーダー性もあります。“うまく書く”ことよりも取材をすることの大事さを分かってほしいと思います。

 NIEの目的の一つに「民主主義社会の発展」があります。高校生の新聞づくりは民主主義社会の育成者を養うという意味でも、重要な取り組みです。NIEでは教科的な成果を求めることも多いですが、知る権利、表現の自由を体得していく“新聞をつくる”という活動は、究極のNIEといえるでしょう。

プロフィール
1956年生まれ。神奈川県立大楠高校教諭。全国高文連新聞専門部常任理事、全国高校新聞教育研究会副会長兼常任理事。同県内の各高校で新聞部や新聞委員会の顧問をつとめてきた。2009年10月〜2012年1月、東京新聞(中日新聞東京本社発行)に「スクールジャーナリズムとNIE」を連載。
春香クリスティーンさん

自分たちが身近に感じる疑問や伝えたいことを、まっすぐにぶつけた紙面が仕上がりましたね。高校生の皆さんならではの、エネルギーが感じられました。

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結果報告NIE親子応援隊が課題にチャレンジ 我が家でもNIE

 愛知県内に住む5組の親子が、約2ヶ月にわたり新聞を使った家庭学習に取り組んだ『NIE親子応援隊』。中日新聞を読んで「気になった記事を切り抜き」、「中日春秋」ベスト3を選定、投稿欄「発言ヤング」に投稿という、3つの課題を終えた各家庭を訪問し、新聞学習の成果を報告していただきました。

NIE親子応援隊3つの課題

①気になった記事を切り抜き
自らの興味関心を整理するため、新聞で気になった記事を切り抜き。記事を自分の感性にあわせて「喜・怒・哀・楽」「考(もう少し考えたい)」に分類して意見を添える。

②「中日春秋」ベスト3を選定
毎日掲載される朝刊一面の「中日春秋」から、期間中にベスト3を選定し、見出し・タイトルをつけて“なぜその記事が良いと思ったか”を親子で話し合う。考えを伝える力とともに、内容を要約する力も育む。

③中日新聞の投稿欄「発言ヤング」に投稿
新聞を読んで関心を持った話題について情報を整理し、自らの考えをまとめ、説得力のある意見として投稿欄「発言ヤング」に投稿する。

犬山市 兼松幸枝さん、南帆さん(中学1年生)新聞ならではの取材力 世界も地元もつぶさに

大好きな犬山祭の歴史がよく分かりました。この魅力を世界中の人にも知ってもらいたいです。

大好きな犬山祭の歴史がよく分かりました。この魅力を世界中の人にも知ってもらいたいです。

 中学生になって毎日忙しくなった南帆さんは、週末に家族がいるリビングで新聞を広げ、課題に取り組みました。南帆さんが新聞に集中する様子を見て、家族が自然に課題のアドバイスもしてくれたそうです。新聞の切り抜きでは地方版の記事に着目。世界のニュースが報道されている一方で、犬山城や犬山祭の話題も取り上げられていることに驚き、「地元のことをより深く知ることができ、家族で楽しく話すことができた」と親子で口を揃えました。

③「発言ヤング」に投稿
南帆さんNIE感想文(抜粋要約)
中学に入り、勉強と部活で疲れてしまい新聞を読むことができなくなっていましたが、応援隊に参加したおかげで記事の意味を両親に聞き、理解するきっかけとなりました。犬山ネタについ目がいってしまいましたが、政治など難しい記事も見出しを見るだけで多少内容が分かり、活字のすごさを感じました。

名古屋市 彦田加奈子さん、栄和くん(中学3年生)視野が広がる楽しさ 積極的に学ぶ姿勢

これまでは興味を持った記事だけを読んできましたが、全体を広く見られるようになりました。

これまでは興味を持った記事だけを読んできましたが、全体を広く見られるようになりました。

 彦田さんの家庭では、栄和くんが小学生の頃から新聞を切り抜き、感想をまとめるという家庭学習に取り組んできました。切り抜いた記事を「喜怒哀楽」「考」に分類する必要があったため、栄和くんは「これまで興味のある記事しか読まなかったが、この数ヶ月は新聞全体に目を通すようになった」と、読み方が変わったと教えてくれました。また「中日春秋」の面白さにも気づき、自分でも同様の文章作成に挑戦してみたそうです。

栄和くんNIE感想文(抜粋要約)
中日春秋はこれまで難しいと思い読み飛ばしていましたが、読んでみるとその面白さに気づきました。自分でも書いてみましたが、つなげていくことが難しく、記者のすごさを感じました。課題を終えて、物事を色々な角度から見られるように。記事を読んだ後に一度考えて、自分の意見を持つことが大切だと分かりました。
②「中日春秋」ベスト3を選定

碧南市 小澤千恵子さん、美寿さん(中学2年生)切り抜いた記事を見て子どもの興味関心を知る

明るい記事の写真と見出しが自然に飛び込んできました。新聞ってこんなに楽しいのですね。

明るい記事の写真と見出しが自然に飛び込んできました。新聞ってこんなに楽しいのですね。

 新聞は難しい印象があり、少し距離を置いていた美寿さん。NIE親子応援隊への参加をきっかけに、次第に親子でテレビを見たり、会話をする際「それ、新聞で読んだ」という発言が増えてきたそう。小学校教諭のお母さんは毎日帰宅が遅くなりがちで、思春期を迎えた子どもとのコミュニケーション不足を心配していましたが、課題を通して親子の交流が増え、美寿さんの切り抜いた記事の傾向から「明るく育ってくれている」と実感できたそうです。

①気になった記事を切り抜き
美寿さんNIE感想文(抜粋要約)
新聞を読んで自分の知識が増え、テレビを見ていると「あ、これ知ってる」と思うことがありました。喜怒哀楽の「怒」と「哀」を見つけるのは難しかったです。これまで全く新聞を読んでいなくて、見たり聞いたりしても詳しい内容を知らないことが多かったので、これからは積極的に新聞を読みたいと思います。

豊川市 鈴木直美さん、啓太くん(高校1年生)考えを伝える難しさ 見出しから多くの学び

言いたいことを人に伝えるのって難しいです。新聞の見出しがとても参考になりました。

言いたいことを人に伝えるのって難しいです。新聞の見出しがとても参考になりました。

 これまでは、自分の好きな記事ばかりに目が留まっていたという啓太くん。切り抜きの課題では「一面や経済面なども、読んでみると自分に関係している話題が多いことに気づいた」。また「中日春秋」に見出しをつけたり、投稿をまとめたりするのは、難しさとともに楽しさを感じたそう。「言いたいことや、使いたい言葉はたくさんあっても、選んでまとめることに苦労した。新聞の見出しってすごい」とも。息子の視野の広がりを感じたお母さんも「親子の会話が増えた」と顔をほころばせていました。

③「発言ヤング」に投稿
啓太くんNIE感想文(抜粋要約)
切り抜きの課題では、一つの記事について家族で話し合うことがあり、注目する記事が互いに違うことも知ることができました。「中日春秋」は、新聞の記事に沿っているのに、全然違う方向から話が始まり、興味深かったです。見出しの課題が一番心に残っていて、伝えたいことを一言にまとめることが難しかったです。

一宮市 渡部由紀さん、由寿さん(中学3年生)新聞を読む習慣で芽生えた主権者意識

大人だけでなく、同世代の声や関連する記事がたくさん載っていて参考になりました。

大人だけでなく、同世代の声や関連する記事がたくさん載っていて参考になりました。

 期間中、和室を“新聞部屋”にして、課題に取り組んだ渡部さん親子。どちらかが新聞を読んでいると、もう一人がそこに加わって、自然に親子の会話が始まりました。由寿さんの切り抜いた記事に、同世代に関するものが多いことを知ったお母さんは、「娘の頭の中をここまで学校が占めているとは思わなかった」と驚きます。記事を読んだ由寿さんは、現状に不満を持っている同世代が多いと知り、「自分が選挙権を持ったら、その候補者がどの世代も満足できる政策を打ち出しているか考えてから投票したい」と教えてくれました。

①気になった記事を切り抜き
由寿さんNIE感想文(抜粋要約)
ユニークな見出し、目を引くような写真、内容を分かりやすくするイラスト、表などがあり、新聞がとても奥深い読み物であることを知りました。社会科のテストで時事問題が出たときは、新聞を読んでいたため全問解くことができ、とても役立ちました。活用法が分かったので、これからも新聞と関わっていきたいです。
春香クリスティーンさん

成長とともに、自分の世界を広げていく子どもたち。毎日、勉強や部活、塾などに忙しく、親子の会話は減っていくかもしれません。今回の新聞学習をきっかけにコミュニケーションが深まったようですね。3つの課題はどの家庭でも簡単に取り組めるものばかり。ぜひお試しください。

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実践我が家でもNIE 新聞が紡ぐ親子の時間

 『NIE親子応援隊』に参加して、新聞を使った家庭学習に取り組んだお母さんたちが集合。中学生や高校生という多感な時期を過ごす子どもたちと、どのように新聞と向き合い、課題を経てどのような成果を感じたか─。市川講師を交えて語っていただきました。

新聞を広げれば親子が対等な関係に 子どもたちの主体性が育まれていく

注目する記事や抱く感情 同じ新聞でも親子それぞれ

─「喜怒哀楽」「考」の課題を終えて感じたことは。

小澤さん 親子で悲しいことから目を反らしているのか、「怒」「哀」を見つけるのが難しかったですね。

彦田さん 私も同じでした。でも自分のなかに無いと思っている感情を一旦落とし込んで、それを感想として吐き出したら、日々を丁寧に生きている気持ちになりました。

記事の中の言葉を敏感に捉えるように

碧南市 小澤千恵子さん

渡部さん ドラゴンズの記事を「楽」に選んだのをきっかけに話が盛り上がり、子どもたちと会話が弾むようになりました。新聞は堅いイメージだったので、目からうろこでしたね。

兼松さん 介護の記事を選び、自分の親と重ねて考えさせられました。母娘ともに考える力がついたと感じます。

鈴木さん 夕食後に新聞を広げて、100歳近いおばあちゃんも一緒に喜怒哀楽を探すと、子どもたちは「楽」が、おばあちゃんは「怒」が多く、世代によってこんなにも視点や考えが違うんだと思いました。

自分で調べて意見を持つ 親子関係がより良好に

―お子さん自身や親子間のコミュニケーションに変化は。

互いを否定しない課題 だから楽しくできた

一宮市 渡部由紀さん

小澤さん 新聞に見向きもしなかった子が手に取るようになり、身近に感じるようになったことは本当にありがたいです。記事のなかの言葉を敏感に捉えられるようにもなりました。

渡部さん 子どもの勉強を見ていて間違いを指摘すると「否定しないで」と怒っていたんです。この課題では親子が対等の立場で意見を交わし、私が子どもの意見に感心することもあったので、私を仲間のような目で見てくれるようになりましたね。

兼松さん 子どもが言っていたのですが、勉強の教材は解説がついているからヒントで答えが分かってしまうけど、この課題では、新聞を読んで分からない単語があれば自分で調べないと答えが出ないと。調べることの大切さに気づいてくれたようです。

鈴木さん これまで息子は新聞を読んでも、問題点まで考えたことがなかったのですが、この課題に取り組んでから徐々にそれができるようになってきているようです。もう一歩進んで、自分の意見を持ちながら違う意見に耳を傾けられるようになってくれたら嬉しいですね。

幼い頃から新聞にふれ生き抜く力が養われた

名古屋市 彦田加奈子さん

彦田さん 私は新聞が教育のツールとしてとても大事だと考えていて、子どもが小さい頃から読んでほしい記事を切り抜いてトイレの壁に貼ったりしていました。そうやって新聞と関わってきた彼は、生き抜く力がすごく備わっていると感じます。新聞を読んで世の中の広さや楽しさを知り、自分が活躍できる場所を見つけて欲しいですね。

市川講師 選挙権年齢が18歳に引き下げられた今、若者には“知らないから判断できない”ではなく、“知ろうとするなかで判断できる”主権者になって欲しいと思います。新聞で社会を知り、世界を知ることが、彼らの判断力の一助になることでしょう。

早い時期から新聞にふれる 学校や家庭がもっと機会を

─新聞にどのような魅力を感じましたか。今後、新聞に期待することは。

兼松さん 新聞は開けばさまざまな情報が載っていて、しかも一目で分かるところが魅力だと思います。読むこととは違いますが、中学校の職場体験などで新聞社が受け入れをしてくださると、子どもたちがもっと新聞に親しみを感じるかもしれません。

調べることの大切さを気づかせてくれた

犬山市 兼松幸枝さん

鈴木さん 中学生になってから新聞を読むように話しても、勉強のツールとして仕方なく読むという感じになってしまいます。でも、小さい頃から楽しみながら新聞を読んでいれば親しみもわくので、たとえば幼稚園ぐらいのときに絵を描いて新聞に出してみたりすると、もっと身近に感じられるんじゃないでしょうか。

小澤さん 子どもたちは学校の社会科で新聞のことを学ぶ機会があり、小学4年生ではみんなで新聞を作り、5年生では新聞各紙の違いや、新聞記者がどのように記事を作っているかを学びます。新聞にふれれば良さが分かると思うので、そのような授業を続けてもらいたいですね。

彦田さん 私の若い頃、キャリアウーマンのライフスタイルなどが注目されていて、新聞を読んでいる女性は知的という印象がありました。今の新聞を、デザインをおしゃれにしたり、グッと深く切り込むページを増やしたりすれば、手に取ってもらいやすいかもしれません。

渡部さん 新聞の小説は大人向けしかありませんよね。子どもが毎日楽しく読めるような連載小説があれば、新聞を開くきっかけになると思います。

問題点を意識しながら新聞を読むように

豊川市 鈴木直美さん

市川講師 皆さんの取り組みの様子をうかがい、私自身も新聞の可能性を感じることができました。ぜひお母さん方が感じた「新聞の力」を外へ発信していただき、NIEがより広まっていくことを期待しています。

NIE親子応援隊を終えて

NIE親子応援隊の課題を見る市川講師

NIE親子応援隊の課題を見る市川講師

 みなさんの課題を講評するにあたり、①視野が広がったか、②言語力が育ったか、③コミュニケーションの機会が増えたか、をポイントとしました。どの親子も、一面の記事を切り抜いている一方で、地元関連の話題にも着目していて、視野の広がりが感じられました。中日春秋に見出しをつける課題では、子どもたちの創意工夫された見出しを見て、言葉の引き出しが確実に増えていると実感しました。キックオフレクチャーで見たみなさんの様子と、課題を終えた後の親子関係を比べると、明らかにコミュニケーションも深まっていますね。

 今回の課題はどの家庭でも取り組めるものだと思いますが、少しハードルの高さを感じる方は、新聞を広げて気になる見出しを集めることから始めてみるのもいいでしょう。ぜひ小さい頃から新聞に慣れ親しんでください。

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