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中日産業技術賞 特別奨励賞

富士特殊紙業 デジタルグラビア複合印刷機

2017年12月1日 朝刊から


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「FUJI・M・O®」(左奥)を開発した富士特殊紙業の杉山真一郎社長(前列左から2人目)、杉山仁朗会長(同4人目)ら=愛知県瀬戸市の富士特殊紙業で

負担少なく鮮やか包装

 「印刷業界の人手不足が深刻化する中で、高齢者や女性でも扱いやすい機器を作りたかった」。富士特殊紙業(愛知県瀬戸市)の杉山真一郎社長(43)は、グラビア印刷とデジタル印刷を組み合わせた、前例のない食品パッケージ用複合印刷機「FUJI・M・O®(フジモ)」を開発した背景を、こう説明する。

 スーパーやコンビニの店頭に並ぶお菓子やレトルト食品の包装には、食材や製品の写真などが鮮やかに印刷されている。通常は、透明のフィルムに有機溶剤を使ったインキの「油性グラビア印刷」で色付けするが、作業員の健康や環境に悪影響がある上、重さが数10キロある原版を持ち運ぶ必要があり、作業員の負担も大きかった。

 富士特殊紙業は今回、パッケージ作りに無版の「デジタル印刷」を導入。重労働を伴う「版替え」の作業を減らせる新型機を開発した。フィルムを樹脂でコーティングして着色しやすくしたり、乾燥法を変えてインキのにおいを抑えたりするなどの工夫を盛り込んだ。

 印刷するたびに原版を作り直す必要がなく、少量の商品にも対応できる。杉山社長は「消費者のニーズが多様化し、今後、小ロットの印刷が求められる場面は増える」とみる。デジタル印刷で表現しづらい白色だけは、同社が以前から導入している「水性グラビア印刷」を組み合わせ、2015年10月に完成させた。

 印刷されたパッケージの見栄えは、現在主流の「油性グラビア印刷」と遜色ない。有機溶剤の使用量は20分の1に抑えた。(石原猛)

図

 グラビア印刷とデジタル印刷 グラビア印刷は有版の凹版印刷の一種。高速で印刷でき、大量の印刷物に向いている。しかし、回転式の印刷機に色ごとに原版をセットし直す必要がある。デジタル印刷は、原版を作らず、インキを対象物に吹き付けるインクジェット式などでデジタルイメージをそのまま表現できるが、白色をきれいに刷るのが難しい。

 FUJI・M・O® 開発に携わった4つの企業名から名付けた。「FUJI」は「富士特殊紙業」とインキメーカー「富士フイルムグローバルグラフィックシステムズ」(東京)。「M」はデジタル印刷機の「ミヤコシ」(千葉県習志野市)、「O」は水性グラビア印刷機の「オリエント総業」(愛知県春日井市)から、それぞれ取った。

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