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中日産業技術賞 特別奨励賞

デンソー・デュポン 植物由来樹脂製ラジエータータンク

2010年12月3日 朝刊から


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植物由来の樹脂製ラジエータータンクを手にする開発チーム=愛知県刈谷市のデンソー本社で

耐久性2倍に向上

 デンソーと米化学大手デュポンが共同開発した「植物由来樹脂製ラジエータータンク」は、エンジン室内という高温で過酷な環境での耐久性を実現。植物由来樹脂の用途を大幅に広げた。

 共同開発は6年前に始まり、ひまし油由来成分で歯ブラシに使われる樹脂ポリアミド610に着目した。ひまし油は食用でなく、価格が安定しているからだ。しかしラジエーター(放熱器)内の冷却水は、エンジンの熱を冷やすことで90〜100度まで水温が上昇する。熱に弱いポリアミド610の耐熱性向上が課題となった。

 熱安定剤の配合などで性能は向上したものの、金型工程の時間が2倍かかるという新たな問題が発生。このため熱安定剤の添加方法や金型の構造を見直し、樹脂が早く固まるように改良。これでコストが融雪塩に対応した寒冷地仕様のタンクよりも安くなり、実用化のめどがついた。

 耐久性は従来製品の約2倍に向上。ただ、植物由来樹脂への懸念も根強かったため、通常以上に試験データを取りそろえた。この結果、昨秋からトヨタ自動車の主力セダン「カムリ」などで採用されている。

 4年以内に年200万台分の生産を目指しており、デンソーは「自動車の半数を(植物由来樹脂製で)置き換えられるよう開発を続けたい」と話している。

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