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中日産業技術賞 特別奨励賞

中部電力/指月電機製作所/明電舎 電気二重層キャパシタ式瞬時電圧低下補償装置

2007年11月30日 朝刊から


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「電気二重層キャパシタ式瞬時電圧低下補償装置」のキャパシタと開発スタッフの皆さん=名古屋市緑区の中部電力技術開発本部で

落雷など瞬時に対応

 稲妻が光ったとき、室内の蛍光灯が一瞬暗くなるのが「瞬時電圧低下(瞬低)」。短ければ0・05秒、長くても0・2秒のこの現象は、一般家庭では問題にならないが、半導体や液晶ディスプレー、樹脂などの工場の生産ラインを止め、時に億単位の損害を与える。

 中部電力(名古屋市)、指月(しづき)電機製作所(兵庫県西宮市)、明電舎(東京)の「電気二重層キャパシタ式瞬時電圧低下補償装置」は、送電線への落雷などで瞬低が起きた場合にわずか0・002秒で給電方式を切り替え、電圧を安定させるバックアップ電源だ。

 現在の主流「鉛蓄電池」は、鉛と硫酸の化学反応で電気をため込む仕組み。電極の劣化が早いため、3−5年での交換が必要だ。次いで普及している「電解コンデンサー」は、蓄えられる電気エネルギー量が少なく、瞬低後に電圧を維持できる時間が約0・1秒に限られる弱点がある。

 これに対して「電気二重層キャパシタ」は、活性炭を電極に使うことで交換周期が15年以上に延びた上、電解コンデンサーの約100倍のエネルギー容量を確保。電圧維持の補償時間は1−60秒に増え、長寿化と長時間化を同時に実現した。

 活性炭と有機系電解液の構造のため重金属を一切使用せず、廃棄時の回収が不要になったほか、待機時の電力消費量も従来方式の5分の1に抑えられ、地球環境や省エネにも貢献している。

 大容量化が進めば、停電にも対応できる長時間補償も夢ではない。チームリーダーの杉本重幸さん(48)=中電技術開発本部=は「鉛蓄電池に代わる瞬低対策の主役を目指す」と意気込んでいる。

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