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中日産業技術賞 経済産業大臣賞

東芝 「NAND型フラッシュメモリーの高速化技術」

2014年12月2日 朝刊から


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NAND型フラッシュメモリーの高速化技術を開発した東芝の(左から)山村俊雄さん、今宮賢一さん、中村寛さん、細野浩司さん=横浜市栄区で

高速メモリー、デジタル社会加速

 スマートフォンやタブレット端末が街中にあふれる光景も、この技術がなければまだ先のことだったかもしれない。東芝(東京)が開発したNAND型フラッシュメモリーの高速化技術が、さまざまなデジタル機器を小型化、高機能化し、デジタル社会を加速させた。開発を担当した中村寛さん(49)は「社会が便利になり、世の中に貢献できたという達成感がある」と語る。

 東芝が1987年に開発したNAND型メモリーは、小型、耐衝撃性などの利点の一方で、書き込み速度の遅さが欠点だった。「高速化というハードルを越えれば普及する」。中村さんらのチームは1999年に新技術の開発に乗りだした。

 メモリーに情報を記憶させるには、外部からのデータ入力とメモリーへの書き込みの2つの動作が必要だ。書き込み専用の回路を増やして同時に2つの動作を進める新技術を編みだし、処理速度は2倍に。試行錯誤を重ねて2年ほどで実用化にこぎ着けた。

 02年に新技術を使った製品を発売すると他社も追随。NAND型メモリーは一気に広まった。東芝のNAND型フラッシュメモリーの13年度の売上高は8200億円。東芝の収益の柱に成長し、世界シェアで韓国のサムスン電子とトップを争っている。

 パソコンやデータセンター、カーナビなどの市場は今後も拡大が見込まれ、生産する四日市工場(三重県四日市市)は、設備の拡張や建て替えなど設備投資を続けている。「もっと高速化すれば、さらに多彩な分野に広がっていく」と中村さん。新たな技術革新にも意欲をのぞかせる。(中村彰宏)

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 NAND型フラッシュメモリー 東芝が1987年に開発した半導体メモリーで、電源を切っても内容が消えないのが特長。90年代に入りデジタルカメラなどの記憶媒体として普及が始まり、スマートフォンやタブレット端末などにも用途が広がった。NANDは「Not AND」の略。メモリーに採用した回路の仕組みが、「NAND」と呼ばれる電子回路に似ていることから東芝が名付けた。

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