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中日産業技術賞 経済産業大臣賞

浜松ホトニクス 透過性パルスレーザーの内部集光による切断加工システム

2010年12月3日 朝刊から


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透過性パルスレーザー装置を囲む開発スタッフ=静岡県磐田市の浜松ホトニクス豊岡製作所で

塵を出さず基板切断

 パソコンや携帯電話から人工衛星まで、IT産業を支える電子部品の小型化が重要になっている。浜松ホトニクス(浜松市)が開発した「透過性パルスレーザーの内部集光による切断加工システム(ステルスダイシングエンジン)」は、半導体の集積回路(IC)を並べた基板を、塵も出さずにきれいに切断する技術。環境への負担は小さく、部品の小型化や加工速度の大幅な向上も実現した。

 従来、シリコンなどで造られた基板の切断は、ダイヤモンドの砥石を高速回転させる。この方法では基板を切った後に削りかすが残り、洗浄液で処理する必要があった。

 解決策は「逆転の発想」。切断後に表面をきれいに仕上げるのではなく、最初から削りかすを出さないにはどうするかを追究した。そこで目を付けたのが、ガラスの表面を傷つけず、内部に動物や風景などを描いた置物の製造に使われる透過性パルスレーザー。このレーザーの焦点を、基板の内部に合わせることによって、基板内部が一瞬で熱膨張し、亀裂が入って割れやすくなる仕組みだ。

 しかし実際の技術確立は簡単ではなかった。基板には凸凹がある上に、亀裂の入り方で割れ方は異なる。研究者たちは数ミリ四方の基板に一日に百枚以上もレーザーで亀裂を入れ、顕微鏡で分析するといった地道な作業を3年以上続けた。

 新技術では、従来できなかった厚さ50ミクロン以下の薄く小さな基板の切断も可能になり、同じ基板から取れるチップの量が約3割増えた。今回の装置の開発を手掛けた電子管事業部の渥美一弘部門長は「今後も日本から世界初の技術を発信していきたい」と、意気込みを語る。

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