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中日産業技術賞 経済産業大臣賞

トヨタ自動車 新ハイブリッドシステム

2009年12月4日 朝刊から


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「新ハイブリッドシステム」の主要ユニットと開発担当者ら=愛知県豊田市のトヨタ自動車本社で

燃費向上、小型・軽量化も

 トヨタ自動車が5月に発売した新型プリウスに搭載された新ハイブリッドシステムは、従来のシステムから90%以上を新開発し、量産ガソリン車の燃費世界記録を更新した。各部の小型・軽量化、コスト削減にも成功し、コンパクトカーなど多様なハイブリッド車展開への道も開いた。

 新型プリウスのガソリン1リットル当たりの燃費は38キロ。1997年発売の初代プリウスの28キロと比べ、36%向上した。

 大幅な燃費向上は、ハイブリッド車で世界をリードするトヨタの技術力の結晶だ。新システムでは特に小型・軽量化が図られた。

 エンジンと並ぶ心臓部であるモーターは、トルク(回転力)を上げると大型化する。このため、トルクを半分にしてモーターを40%小型化した。単にトルクを下げると出力も低下してしまうため、回転数を従来の倍に引き上げることで出力を高め、トルクを増幅するリダクションギアも新たに採用した。

 モーターを制御するパワーコントロールユニットは、冷却構造を改良することで45%の軽量化に成功した。

 新システムは「ハイブリッド車の弱点とされた冬季や高速走行時の燃費向上に開発の重点を置いた」と高岡俊文HVシステム開発室長は語る。

 冬にはエンジンの冷却水を車内暖房に使うため、停車時にエンジンが止まるアイドリングストップが制限され、燃費が上がらなかった。従来は捨てていた排気熱を利用してエアコンの性能を上げ、燃費も向上させた。

 エンジン冷却水を必要なときに必要なだけ循環させる電動ポンプの採用も冬季の燃費向上に役立っている。

 高速走行時の燃費向上にはエンジンの排気量アップが寄与。ゆとりのあるエンジンで高速走行時には回転数を下げることができるようになり、燃費の向上につながった。排気量アップで燃費が低下する市街地では、モーター走行でカバーする。

 トヨタは将来、全車種でハイブリッド車を展開する方針。高岡室長は「数多くのエコカーを出し、多くの人に乗ってもらうことで、社会に貢献できる」と意気込んでいる。

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