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中日産業技術賞 経済産業大臣賞

日本ガイシ 世界初・車載型のNOxセンサー

2008年12月1日 朝刊から


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NOxセンサーを手にする中垣邦彦センサ事業推進部部長(中)と開発にあたったスタッフ=名古屋市瑞穂区の日本ガイシで

エコ車 実現にはずみ

 日本ガイシの「NOxセンサー」は、自動車の排ガスに含まれる窒素酸化物(NOx)の濃度を測定する世界初の車載用センサー。自動車の排気管に取り付ける。排ガス浄化システムの性能を高め、今後日米欧で採用される環境規制をクリアするディーゼル車を実現させた。

 かつては環境に悪いともいわれたディーゼル車だが、排ガス中のすすを除去するフィルターが装着され、「エコカー」として注目されるようになった。しかし、酸性雨の原因になるNOxの処理が課題として残っていた。

 NOxを浄化する方法はいくつかあるが、尿素水を注入して窒素と水に分解するのは有力な手法の一つ。ただ、この方法では、尿素が少ないと十分に分解できず、多すぎると排ガスが刺激臭を帯びる。車の急発進などで変化するNOx量に対応した尿素注入量の微調整が求められた。

 それには、まずは排ガス中のNOx量を高精度で測定し、そのデータを基に尿素注入量を的確に制御する必要がある。「NOxをどうやって測定するか方法に迷った」(中垣邦彦センサ事業推進部部長)が、試行錯誤の末、ジルコニアセラミックスを使った酸素センサー技術を生かすことにした。

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 考え出したのが、センサー内の二室構造だ。排ガスにはNOxだけでなく、酸素や二酸化炭素なども含まれる。第一室では酸素を取り除き、二酸化窒素(NO2)は一酸化窒素(NO)に変換。第二室では一酸化窒素を窒素と酸素に分解する。この酸素の量を測ることで、もともとのNOxの濃度を正確に知ることができる。

 2001年11月に出荷を開始。07年度は約60万本を販売した。加藤宏治セラミックス事業本部企画部長は「環境規制が強化される10年以降、年200万個以上需要が期待できる」と力を込めた。

ジルコニア

 ジルコニウムの酸化物で、代表的なファインセラミックス。高温下で電圧をかけると酸素イオンを移動させる性質(酸素ポンプ特性)や、酸素の濃度差があると電位差を生じ酸素イオンが移動して電流が流れる性質(酸素濃淡電池特性)があり、酸素センサーのほか燃料電池などに使われる。

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