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中日産業技術賞 経済産業大臣賞

大岡技研 自動車変速機用高精度鍛造歯車

2006年12月8日 朝刊から



写真

世界最高水準の高精度鍛造歯車を研究開発した大岡技研のメンバー=愛知県豊田市篠原町で

 大岡技研(愛知県豊田市)は、円筒状にした材料の鉄のかたまり「粗材」に圧力をかけ、金型に合わせて変形加工する鍛造で、自動車の変速機に使う精度の高い歯車の量産に成功した。「歯車製造は、粗材を削って造る切削加工」という従来の常識を覆す技術だ。

 メリットは多い。切削の手間が省けて加工時間が短縮される上、切り粉が出ないため、材料も節約できてコストは3割減った。歯の形状も、切削だと加工の過程で誤差が生じることがあるが、鍛造は型通りでズレが小さく、変速機の歯車がなめらかにかみ合い不具合が減った。複雑な形状や小型化にも対応できる。また鍛造は、歯先が欠けにくいなど、切削加工品に比べて、強度は3割アップした。

常識覆し精密

解説図

[解説図]鍛造による歯車製造のイメージ

 大岡技研はもともと、鉄の粗材を鍛造して切削加工業者に材料として供給するのが本業だった。1980年ごろに、大岡三茂社長が「(製品化まで)自前でいっぺんにできないか」と提案。粗材は誤差1ミリ度の精度でよかったが、歯車は1千分の1ミリ単位の精密さが要求される。「絶対無理」という社内を半年かけて説得、開発を始めた。

 以来、歯車の出来を左右する金型づくりの技術に磨きをかけ、より精密にする努力を重ねた。粗材を加熱して柔らかくして鍛造する加工や、常温で粗材に高い圧力をかける加工など、精度の高いものをつくるのに適した鍛造方法も幅広く研究。高精度の歯車開発にこぎ着け、今や手動変速機用の鍛造歯車で世界の市場の70%を占めるなど、変速機製造に影響を与えた。

 大岡社長は「歯車製造の知識が十分なく、常識にとらわれなかったからこそ開発できた」と話す。自動変速機用の歯車など他分野への活用にも前向きだ。

(肩書きや販売実績は2006年12月8日掲載当時のもの)

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