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中日産業技術賞 中日新聞社賞

アイシン精機・大阪ガス 家庭用燃料電池

2016年11月29日 朝刊から


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家庭用燃料電池「エネファーム タイプS」を囲む開発チーム=愛知県豊田市のアイシン精機藤岡試験場で

世界最高の発電効率

 アイシン精機(愛知県刈谷市)が大阪ガス(大阪市)と共同開発した家庭用燃料電池のコージェネレーション(熱電併給)システム「エネファームtype(タイプ)S」は、世界最高の発電効率を実現した。小型化にも成功し、新築一戸建て住宅に限られていた設置場所は新築マンションや既築住宅に広がった。

 エネファームは、都市ガスに含まれる水素と空気中の酸素を取り込み、スタックと呼ばれる発電装置で化学反応を起こして電気を生み出す。発電で生じた熱も有効活用し、お湯にしてタンクにためておける。

 タイプSは国内で唯一、発電を促す電解質にセラミックスを使っている。樹脂膜などを使う他社製品と違い、約700度以上の高温にも耐えられる。このため発電効率はもともと高いが、今回受賞した最新機種はさらに5.5ポイント向上し、世界最高の52%にした。

 ポイントは、スタック内の温度を均一にしたこと。発電時に燃料電池のどの部分が熱を持つか、約50カ所をつぶさに調べた。開発担当の桑葉孝一さん(49)は「(電極が入った)わずか2ミリのセルの隙間に100本以上の極細の金属線を張り巡らせた計測技術が生きた」と振り返る。データを基に温度が均一になるよう、空気の流し方や断熱材の厚みを改善して発電効率を高めた。

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 熱の発生量を抑えられるので必要以上にお湯がたまらなくなり、貯湯タンクを小型化できた。ことし4月の発売から半年間で9100台が売れ、過去4年の累計販売台数(約7900台)を超えた。4人家族の光熱費(電気とガスの合計料金)が一般的な給湯床暖房機と比べ、年間で9万3000円の割安になることも売りだ。

 ガス各社の販売価格は給湯機とセットで約200万円。国の補助金などで、実質的には120万〜130万円になるが、さらにコストを下げ、使い勝手も高めていく。桑葉さんは「今後は蓄電池などと組み合わせ、より魅力ある商品にしたい」と見据える。(岸本拓也)

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