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中日産業技術賞 中日新聞社賞

デンソー、信州大など「手術支援ロボ」

2015年12月1日 朝刊から


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手術支援ロボット「iArmS」と小山俊彦室長(後列左から3人目)ら開発スタッフ=愛知県阿久比町で

手ぶれ防ぐ安全設計

 手術中に台の上に置いた腕を前後左右に動かすと、アームが寄り添うように追従する。固定したい場所で止めるとアームがロックされ、今度はしっかりと腕を支えてくれる。自動車部品大手、デンソー(愛知県刈谷市)の手術支援ロボット「iArmS(アイアームス)」は、医師の手ぶれを防ぐために開発された。

 太さ1ミリ以下の血管縫合など、外科手術は12時間以上続くこともある。長く腕を酷使すると手が震え、最悪の場合、患者の命を左右する。作業中だけ腕を固定させたい−。自動車以外の事業を模索していた小山俊彦ヘルスケア事業室長(53)と奥田英樹担当課長(40)が手術の見学を重ね、要望をくみ取った。信州大医学部、東京女子医科大と連携し、今春、商品化したアイアームスは、震えを7割抑えることができる。

 センサーが腕の動きを感知しているが、故障で暴走する恐れがあるから、モーターは使わない。アーム全体を「やじろべえ」に見立て、腕とは逆側につるした重りがバランスを取る。

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 医療ロボで有名な米国製「ダビンチ」は手の代わりにアームが複雑に動くが、価格は1台3億円。アイアームスは機能を補助に絞った上、デンソーウェーブ(阿久比町)が製造する産業用ロボと部品を共通化し、1台1000万円に抑えた。

 小山室長は「開発の方向性が正しいのか常に不安だったが、評価されてうれしい。世界の医療現場に貢献できれば」と話している。(石井宏樹)

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