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中日産業技術賞 中日新聞社賞

愛知製鋼 植物成長促進剤『鉄力あぐり、鉄力あくあ』

2007年11月30日 朝刊から


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植物成長促進剤「鉄力あぐり、鉄力あくあ」の開発メンバー=愛知県東海市の愛知製鋼本社で

園芸用品の枠超える

 植物の光合成に不可欠な鉄分を効果的に与える粉末状の成長促進剤「鉄力(てつりき)あぐり」と液体の「鉄力あくあ」を開発した。園芸用品の枠を超える画期的な技術として、二酸化炭素(CO2)の削減や食糧問題の解決にも役立つと期待がかかる。

 植物は土壌から鉄分を吸収し、光合成に使う。鉄不足の土壌に鉄分を補おうとしても、そのまま散布するとすぐにさびてしまい、吸収できない。鉄力あぐり・あくあは、植物が取り込みやすい酸化第一鉄(FeO)の形で長期間にわたり土壌にとどまる性質を持つ。

 開発を始めたのは2000年。特殊鋼の製造過程で出る副次生成物のリサイクル研究がきっかけだった。農家出身の研究員が農業への利用を提案し、森田章義社長が自ら菜園で効果を確認。大学の研究者も興味を示し、取り組みが本格化した。ただ、ふだんはトヨタ自動車グループの一員として鉄を扱っているメーカーのため、農業はほぼ門外漢。開発責任者の笹本博彦技監は「従来とまったく違う分野で、とまどいながら勉強した」と当時を振り返る。

 04年に商品化し、家庭園芸から農家向けまで販売を拡大。アスパラガスの収穫量が約三割アップしたり、ホウレンソウの葉が大きく育つなど成果が報告されている。野菜の鉄分含有量も増え、食べた人の貧血解消にも効果が出てきそうだ。

 将来的には、鉄不足で不毛の地となっている世界中の土壌や砂漠などで植物栽培につなげたい考え。緑化によりCO2の吸収も促進できる。笹本技監は「環境・食糧問題のキーになる技術。研究を進めて貢献したい」と意欲を示している。

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