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中日文化賞

国立がん研究センター理事長 堀田知光氏

2015年5月3日 朝刊から


国立がん研究センター理事長 堀田知光氏

国立がん研究センター理事長
堀田知光氏

わが国のがん対策と研究開発の推進 薬の早期承認に尽力

 がん克服の道に身を投じて40年余りが過ぎる。「少しでもいい治療と薬を患者さんに届けたい」。国立がん研究センター(東京都中央区)のトップとなった今に至るまで、そんな思いを貫いてきた。

 ライフワークといえるほど力を注いできたのが、国外で使われる抗がん剤などの薬が、日本で認められるまでに多くの時間を要する「ドラッグラグ」の解消だ。

 2010年、この問題を扱う厚生労働省の検討会議座長に就いた。学会や患者団体から早期承認を求められた医薬品は、その時点で400品目近く。1つずつ必要性を吟味し、薬の公定価格の優遇措置を活用しながら、製薬会社に薬の開発を促す仕組みを軌道に乗せた。米国と2年半の差があるといわれた時差は解消に向かう。「だれが見てもおかしいという状況は脱した」と誇った。

 愛知県半田市出身。名古屋大医学部を卒業し、名大で血液のがんの治療研究に取り組んだ。治療法が確立されていなかった白血病などで患者が次々に亡くなるのを見る日々。「非常に残念な思い」がその後のドラッグラグ解消に向けた原動力になった。組織を束ね、改革する能力の高さを買われ、東海大医学部長、国立病院機構名古屋医療センター院長なども歴任してきた。

 有識者会議座長として土台をつくったがん研究の新たな10か年戦略が昨年から始まった。「社会の員数外となっていた昔と違い、がん患者も生きていけるような世の中に」という願いが土台にあるという。「大きく変わってきたがん対策の流れに貢献できたとすれば光栄だ」と歩みを振り返る。国立がん研究センターに隣接した宿舎に住み、名古屋市天白区の自宅で休日を過ごすことも。70歳。 (社会部・野村悦芳)

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