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静岡ニュース

県内の衆院選を検証(下)

◆第三極 連携欠き苦戦

浜松入りし候補者2人の応援演説をした日本維新の会の橋下徹代表代行(中)=9日

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 衆院選の台風の目として注目を集めた第三極。静岡県内では七小選挙区に立候補した十人全員が落選し、比例代表で新人二人が復活当選した。何とか議席を得た日本維新の会とみんなの党は「今回は有権者の選択肢になりきれなかった」と総括。来年の参院選や地方選に向け、体制の立て直しを急ぐ。

 「解散が急で準備不足だった。第三極がまとまらず、自民、民主に不満な人の受け皿にならなかった」

 比例代表で復活当選した維新新人の鈴木望さん(3区)は十九日、本紙の取材に自戒を込めて振り返った。県内比例獲得票が、維新とみんなを合計すると自民を上回った結果には「選挙協力していれば、全国で今の倍の百四十議席は取れたと思う」と第三極の競合を悔やんだ。

 県内では十一月、東海地区初の維新の地方組織として静岡維新の会が発足した。代表の柏木健県議は「組織がなく苦しんだが、維新は比例では自民に次ぐ二位だった」と比例票で民主を上回ったことに自信を示す。一定の存在感を示せたとして、来年の参院選や知事選、地方選に向け鼻息が荒い。

 静岡維新は十八日の会合で、参院選や地方選に独自候補を擁立する方針と、静岡維新を日本維新の会の県連組織に移行させて体制強化することを確認。8区で落選した維新新人の源馬謙太郎さんらと近く協議し、連携を目指すことでも一致した。

 鈴木さんは「静岡版維新塾を年明けに立ち上げ、地方選の候補者探しと養成を始める」と強調。来年は多くの地方議員を誕生させ、党勢拡大を算段する。

 1区で復活当選し、一議席を獲得したみんなの党。党県議会第一支部長の遠藤行洋県議は「1区は維新と競合し、厳しかった。連携していたら、もっと違う結果になった」と、公示直前の維新の候補擁立を批判する。今後も第三極同士の連携は課題として残るが、当面は自党の地方組織の整備を急ぐ構えだ。

 日本未来の党は、全四候補が小選挙区で有効投票総数の十分の一に得票が届かなかった。比例復活条件も満たせない惨敗。県外選挙区からの出馬要請を拒否し、4区にこだわった前職の小林正枝さんは「公示直前に政党名が変わるなどして、分かりやすい訴えができなかった」ことを敗因に挙げた。

 既成政党との間だけでなく、第三極間にも存在する高い壁。維新の鈴木さんは「第三極が国民の期待の受け皿になるには、明治維新の薩長土肥連合のようになる必要がある」と指摘する。連携の成否に、第三極の命運がかかる。

(この連載は本田英寛、加藤隆士、唐沢裕亮が担当しました)