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静岡ニュース

記者が見た衆院選(中)

日本維新の会の橋下徹代表代行らの演説を聴きに集まった人たち=9日、浜松市内で

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 −注目された第三極勢力だが、混乱が目立った。議席を伸ばした維新も、県内は四人中、比例復活が一人。現場の状況は。

 A記者 公示前にいったん7区で擁立すると発表した新人を、支援態勢が取れないからと4区に変更しようとした。本人が「なぜ公認時に言わない。有権者に失礼だ」と怒って結局、出馬そのものを辞退した。全国的にも擁立はだいぶ難航したようだ。

 B記者 みんなとの調整で擁立を見送ったはずの1区では、一転して立てた。事情が変わったと。維新本部と、地方組織である静岡維新の会との関係も分かりにくかった。

 C記者 候補者の資質に疑問を感じたことも。街頭演説場所でスタッフが必死で歩行者にビラを配っているのに、本人は報道機関の若い女性記者とにやにや談笑。応援弁士が到着したのも気付かないまま。候補者の自覚が欠けている。

 D記者 石原慎太郎前東京都知事の太陽の党が合流したが、政策のズレも露見した。ある陣営幹部は「石原さんが代表になってから評判を落とした。橋下さんだけならもっと勢いもあっただろう」とぼやいた。「石原さんが県内入りするとの話が出た時は、必死で断った」とも聞いた。

 −他党と合流せず、ぶれない党を掲げたみんなは二新人を擁立。

 B 維新と連携を模索したが、最終的に7区は維新推薦、1区は競合。県庁所在地の「花の1区」はどの党も重視するが有権者には分かりにくくなった。

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 D こちらが首をひねりたくなる選挙戦術も。渡辺喜美代表が来県した際、演説会場の一つが住宅街の普通のスーパーマーケット駐車場。聴衆は三十人程度で党首の応援としては寂しい。対立候補の自宅近くだったから「敵の本丸に乗り込む粋な作戦」とも思ったが、効果を考えれば…。

 E記者 その事務所はスタッフの手配や段取りに苦労して、動員をかける余裕もないようだった。支援者は「もっと地元の人が入らないと。時間がなさ過ぎた」と嘆いていた。

 −未来は県内の前職含む四人全員が、小選挙区得票が有効投票の十分の一に達せず比例復活資格さえ得られなかった。

 D 7区の新人の出馬会見は公示前日。当日の立候補手続きも手間取り、届け出が済んだのは午後だ。新党という事情は分かるが、党はもう少し早く決断できなかったのか。本人も気の毒だった。

 E 8区の新人は小沢一郎さんの私設秘書。小沢さん人脈で一部経済界の支援の有無が注目されたが、ほとんど存在感は示せなかった。また四人中三人の出馬会見時の所属は生活。党の方針や政策はそれとして、自分の言葉で訴える姿勢が弱かった気がする。

 A 三極はどこも準備不足が響いた。体制が整わないうちに選挙になり、有権者の選択肢になりきれなかった。今回の解散は第三極つぶしともいわれたが、有権者の選択を奪った側面もあるだろう。