文字サイズ

静岡ニュース

県内の衆院選を検証(中)

◆民主 結束できず惨敗

民主党・ふじのくに県議団の控室を訪れ、落選を伝える牧野聖修県連会長(右)=17日、静岡県庁で

写真

 「民主惨敗」の衝撃も冷めやらぬ十七日、静岡1区で議席を失った党県連会長の牧野聖修さんは、党再建への道筋を問われ、憔悴(しょうすい)しきった表情で絞り出した。「風に頼っていてはだめ。自分の足で組織づくりをしっかりやるしかない」

 比例と合わせた県内八議席は、前職が圧倒的な知名度と地盤を誇る5、6区で死守できただけ。政権交代への高揚感に包まれた二〇〇九年の前回選から、多い候補で三分の二以上の票を失った。

 前回、党への追い風で誕生した一年生議員は、足元を固めきれないまま、厳しい戦いに直面した。頼みとなるのは労組。支持母体の連合静岡の役員会では、特定の一年生議員を名指しし「(支援は)やれない」と切り捨てる声も出た。

 「前回は事務所で『明日はこうしよう』『どこに行こう』と意見が飛び交っていた。今回は熱気がなかった」。8区の応援に入った労組幹部は振り返る。

 一方、当選を重ねた中堅、ベテランの前職は、東日本大震災の被災地復興や原発再稼働をめぐる党務、政務に追われた。「今回の選挙を戦うための地元活動が手薄になっていた。地域に根を張る地方議員らと日常的に連携し合う重要性を痛感した」と牧野さんは悔やむ。地元入りが限られたばかりか、党への逆風が強まるにつれ、政府の要職を務めた経歴は決してプラスに働かなかった。

 離党者続出で党が瓦解(がかい)を始める中、県内から離党者はなかった。だが、党運営のごたごたは、選挙態勢のまとまりを欠く形で現れた。有権者受けを狙ったのか、「リーダーとして、日本維新の会の橋下徹代表代行には期待している」と街頭演説で堂々と述べる民主候補者も。選対本部長代行の岡本護県議は十七日の総括で、一丸となれなかった党の姿勢を敗因の一つに挙げた。

 民主党は二十二日、党代表辞任を表明した野田佳彦首相の後任を決める代表選で再生への一歩を踏み出す。県連も、牧野さんが会長を、林芳久仁県議が幹事長を退く。二回続けて小選挙区で勝てなかった7区と、今回得票数で離された8区は新たな候補を探り、県連もまた解体的出直しに迫られる。

 圧勝の自民党が北朝鮮や尖閣などの領土問題の対応で一段と保守色を強める中、民主党はどこを目指すのか。牧野さんは「日本にとって平和で安全な国家とは何か。大規模な公共投資を推し進める古い政治はどうなのか。自民路線へのアンチテーゼを示していきたい」と強調するが、失った信頼を回復させる道は、あまりにも険しい。