文字サイズ

滋賀ニュース

ここで見極める −有識者らの意見紹介−

 16日投開票の衆院選も選挙戦は残り1日。候補者はそれぞれの党が掲げる政策や自身の政見、実績などの訴えに追い込みをかける。原発政策や消費増税、経済対策に環太平洋連携協定(TPP)への交渉参加の是非など、争点は多岐にわたり、投票先を決め切れていない有権者も少なくない。湖国から送り出す政治家をどう選ぶのか。有識者や有権者に見極めるポイントや意見を聞いた。

◆元県知事 武村正義さん(78) 個々の人物像見比べを

写真

 日本が難局に立ち、すさまじい困難な課題が山積している、そのど真ん中での選挙。だが、これまでの各党の主張を聞いていると、国難の厳しさが、なかなか伝わってこない。

 争点とされている原発、消費増税、TPPなどは確かに課題だ。しかし、それらを乗り越えた上で、今後の国の在り方をどうするのかが語られていないので、どこか説得力を欠いている。人口減少や格差の拡大、憲法、安全保障をどうするのかなど、大局に立った主張も判断材料にしたい。

 さらに今回の選挙では、新党がたくさんできて、有権者の戸惑いは深まった。三年間の民主政権をどう評価するか、第三極と呼ばれる政党を信頼できるかかがテーマになるだろう。

 ただし、各党は似通った政策も多い。例えば原発政策ならば、すべての党が脱原発依存では一致しており、なくしていく時期を言うか言わないかの違いぐらい。明確な選択肢ができていない。

 投票先の一つの選び方として、党首や立候補しているメンバーの人物像を見比べてはどうか。政治のかじ取りは、人物が多くのウエートを占め、人物の経験が左右する。若い素人ばかりでは国の責任ある運営は難しく、経験にたけたベテランもある程度の人数は必要になる。

 威勢良く発せられるスローガンに気を取られず、「こういう人物がいる政党だから期待する」というように、個々の人物や人物集団の雰囲気で判断することも必要だと思う。

◆県立大人間文化学部教授 大橋松行さん(61) 政策の優先順位つけて

写真

 民主、自民から分裂した議員らによる合従連衡で、極端に多党化した今衆院選。争点が多く、一つ一つの重要度が高い上に、政党の公約と各候補者の主張が一致しない選挙区もある。このように複雑に入り組んだ選挙での投票は難しい。

 政党乱立で選択肢が増えたように見えるが、実際は選択の幅は狭まっている。以前は保守から革新まで選択肢は広かったが、今では革新系は小政党のみ。乱立した政党は実質、保守寄りの非常に狭い範囲に収まり、有権者はそこから選ばなければならない。改憲問題を除き、各党の公約もニュアンスが異なるだけで大きな差異はない。党の立ち位置が近いせいだろう。

 有権者の選択方法の一つは、まず自分がこだわる政策は何かを考えること。その上で自分なりに政策の優先順位をつけ、順位の高いものから、自分の考えと一致する、もしくは近い政党や候補者を選ぶという方法だ。順位は自分の生活感覚でつければ良い。生活に直結する関心事は何かを考えれば、おのずとどの政党や候補者に投票すべきか見えてくる。

 小選挙区について言えば、前述の通り政党と候補者の主張が違うことがある。この場合は、地域の事情や特性を踏まえて訴えている候補者を主体にして投票することを勧める。

 政党の基本理念や政策の実効性を判断するためには、マニフェストをしっかり読み込むことも大切。これからの有権者は受け身ではなく、政策に積極的に関わろうとする姿勢が求められていくと思う。